ファッションモデルとして第一線を走り続ける水原希子は、近年環境問題に熱心に取り組んでいることでも知られる。「私にできることはまず発信すること。一人でも多くの人に環境への意識を持ってほしい」と、SNSで自身の考えや活動を発信する。水原はなぜ環境問題やサステナビリティを意識するようになったのか。その理由と、今回参加した楽天「ラクマ」のプロジェクト「ラクマ エコフリーマーケット」への思いを聞いた。
“サステナブルな取り組みは
思っていたより難しくない”
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WWD:水原さんはいつ頃から環境問題やサステナブルを意識するようになりましたか?
水原希子(以下、水原):本当に最近です。環境問題については世間でも長年取り上げられていたので、私も理解はしていました。ただ現実味がなく、「誰かが取り組んでいるだろう」ぐらいの感覚で具体的な行動にまでは至っていませんでした。でも夏の異常な暑さや自然災害の急増など、地球温暖化の影響を肌で感じるようになり、行動しなければまずいと危機感を抱いたのがきっかけです。
WWD:意識したことによってご自身の中で変わったことはありますか?
水原:何かを購入する際にそのアイテムの環境への負荷を意識したり、エコバッグも常に持ち歩くようになりました。最近運転免許を取得したのですが、車は電気自動車を購入し、家の電気も再生可能エネルギーを使った“みんな電力”に切り替えました。また個人的な趣味ですが、外出自粛期間中は青森の南部裂織(なんぶさきおり)の美しさに影響を受け、着なくなったTシャツをエコ染料で染めて糸にしてラグを作り、リメイクを楽しんでいました。多くの人が自分にできることを実践している姿を見て、サステナブルな取り組みは思っていたより難しくないと感じられたことも大きいですね。一人一人のできることが積み重なっていけば、大きな何かにつながるはずです。
“新しいファッションの形を
作って改善していくしかない”
WWD:ファッション産業は世界で2番目の環境汚染産業と指摘されています。この業界で長年活動されている水原さんは問題をどう捉えていますか?
水原:ファッション産業がいかに環境に深刻な影響を与えてきたか——。私もモデルとして業界に携わってきたので、今後は新しいファッションの形を作って改善していくしかない。従来のトレンドを追うだけのファッションではなく、新しい素材作りや環境破壊を軽減するものづくりを推進することは簡単ではありません。でも挑戦しがいはあるはずです。また、消費者である私たちも自分が何に投資すべきかを考えるときなのだと思います。私もまずは発信するのが自分にできることだと信じています。SNSを活用して人々のプラスになることを発信し、自分も吸収していきたいです。
WWD:ご自身も「OK」というブランドを手掛けています。
水原:自分の目が届かないところで環境や労働者を苦しめているものを作ったり宣伝したりしたくないという思いから、より慎重になりました。「OK」のメインアイテムの素材は今後、インドの綿農家の有機農法への転換支援と農家の子どもへの就学・奨学支援を行う「PBP(PEACE BY PEACE)コットンプロジェクト」によるオーガニックコットンにシフトする予定です。また、10月には繊維リサイクルを行う企業、ナカノとのコラボレーションが実現しました。彼らは回収した古着から紡績し直したリサイクル糸を使って軍手などの作業用品を主に作っており、今回は実験的にカーディガンと帽子、バッグを数量限定で一緒に制作しました。さらに古着回収の窓口は多い方がいいと考え、彼らと連携して「OK」でも古着回収システムを始めようと計画中です。地球に優しい活動をしていきたいです。
もたらす影響は大きい”
WWD:今回楽天「ラクマ」の「ラクマ エコフリーマーケット」に参加した思いを教えてください。
水原:楽天「ラクマ」などのフリマアプリはもともとよく利用していました。私自身ビンテージや古着が好きで、デッドストックやアートピースといえるような昔のメゾンの服を集めています。服の好みは年齢やそのときの自分のムードでも変わりますよね。過去に大好きだったけれど着なくなったものを、今そのムードを持っている人にバトンタッチしてリユースすることは大切なこと。衣類をごみにせず循環させようという「ラクマ エコフリーマーケット」のテーマに共感し、参加を決めました。
WWD:どんなアイテムを出品しましたか?
水原:「オープニングセレモニー」と以前コラボレーションしたニットなど、ファッション性が高いアイテムをセレクトしました。ファッションが人の心にもたらす影響は大きいですよね。かわいいものや美しいものをまとうと気分が高揚したり、元気が出たり、違う自分を発見できたりします。こんなときだからこそ、おしゃれをしてリフレッシュする感覚を楽しんでもらえたらうれしいです。
サステナブルな消費の輪を広げる
「ラクマ エコフリーマーケット」
楽天「ラクマ」は近年服が大量に廃棄されている問題を受け、“不用品をごみにしない社会”の実現をテーマに、「ラクマ エコフリーマーケット」を1月25日に「ラクマ」公式サイト上に立ち上げた。プロジェクトの発端は、楽天「ラクマ」スタッフが「今は使っていないけれど、捨てられないものが多くある」という著名人の声を聞いたこと。今回は水原希子、クリス-ウェブ佳子、植野有砂、ベイカー恵利沙、ヴィオレッタ・ポルト(Violetta Polt)が参加し、私物ファッションアイテムを1月27日から販売する。使わなくなったものを次に必要とする人につないで資源の循環をつくることで、よりサステナブルな消費の輪の広がりを目指す。売り上げは環境のための活動を行うUNEPサステナビリティアクションと日本自然保護協会へ寄付される。
「ラクマ エコフリーマーケット」の特設ページでは、5人の参加者にエコに対する思いなどを聞いたインタビュー記事の公開や、繰り返し使える梱包袋「ラクマ リユースパック」のプレゼントキャンペーンも行われる。
楽天「ラクマ」PR担当
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