ビジネス

LVMHのティファニー買収、欧州委員会がゴーサイン

 欧州委員会は10月26日、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)によるティファニー(TIFFANY & CO.)の買収を承認した。ティファニーが証券取引委員会に提出した資料で明らかとなった。

 その一方で、両社は法廷闘争の真っただ中だ。2019年11月にLVMHはティファニーを1株あたり135ドル(約1万4000円)、162億ドル(約1兆6800億円)超相当で買収すると発表したが、20年6月に新型コロナウイルスや米国内の情勢悪化を理由に買収を再考していると報道された。その後、9月に入ってLVMHが仏の欧州・外務大臣からティファニーの買収を21年1月6日まで延期するよう要請されたことを理由に、当初の買収完了期限だった20年11月24日までに完了できないとして買収断念を発表した。

 これを受けてティファニーは即時にLVMHに契約の履行を求めて米デラウェア州衡平法裁判所に提訴した。さらにLVMHもティファニーが合意条件を満たしていないことなどを理由にティファニーを相手取り反訴し、両社の対立はより深刻になっている。

 ティファニーがLVMHに対して提起した本訴について、裁判所はトライアル(証拠開示で入手した情報を基に争点について事実を明らかにする審理手続きのこと)を21年1月5日から4日間にわたって実施すると決定した。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。