ロレアル(L'OREAL)は化学産業大手のトタル(TOTAL)とガス発酵技術開発ベンチャーのランザテック(LANZA TECH)と協業し、世界で初めて工場や施設から排出される産業炭素を再利用した化粧品用のプラスチックボトルを開発する。ランザテックが産業排出物の炭素をエタノールに変換し、そこからトータルが脱水処置でエチレンに変え、さらに化学重合させてポリエチレンに仕上げる。そのポリエチレンをロレアルがボトルやパッケージに用いるという。2024年までに自社のシャンプーとコンディショナーに導入する予定だ。
ロレアルは「3社の協業により、サステナブルなサーキュラーエコノミーをかなえ、炭素排出量の削減や再利用に向けて多様な可能性をもたらす」とコメント。ジェニファー・ホルムグレン(Jennifer Holmgren)=ランザテック最高経営責任者は「よりクリーンな地球の実現という共通のゴールを目指して始動したコラボレーションだ。われわれはともに、炭素の再利用を可能にすることで使い捨ての炭素素材をなくし、カーボンフットプリントの削減を目指す」と話す。
なお、ロレアルは6月にサステナビリティプログラム「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー(L’Oreal For The Future)」を策定したばかりだ。2030年までには全ての製品パッケージのプラスチックをリサイクルもしくは植物性のものにすることを掲げ、さらに製品毎の温室効果ガスの排出量を16年の半分にすると宣言している。