12月18日に日米同時公開する20世紀スタジオ配給の映画「ナイル殺人事件」で、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」のジュエリーが使用されている。同作は英ミステリー作家のアガサ・クリスティ(Agatha Christie)原作であり、17年に公開された「オリエント急行殺人事件」の続編だ。使用されたのは128.54カラットのイエローダイヤモンドが輝くネックレスで、作中においても重要な役割を持つという。
同ネックレスはメインキャストのリネット・リッジウェイ・ドイル(Linnet Ridgeway Doyle)を演じるガル・ガドット(Gal Gadot)が着用した。過去にはオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が映画「ティファニーで朝食を」の広告用写真で使用したことでも知られ、最後に着用されたのは19年にレディー・ガガ(LADY GAGA)がオスカー賞を受賞したとき。なお、安全を考慮して撮影ではレプリカが使用された。
アクセサリーを含む衣装を担当したのは、「レ・ミゼラブル」や「リリーのすべて」の衣装デザインでオスカー賞にノミネートされたパコ・デルガド(Paco Delgado)だ。1930年代を舞台にする今作の衣装デザインのためにデルガドは、「シャネル(CHANEL)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などを見て研究を重ねたという。計約150着の衣装を手掛け、物語序盤はストーリーのムードに合わせて明るい色合いで、終わりに向かってより暗い色を使った。また「ダイヤモンドを主人公にしたかった」と語るデルガドは、リネットのカラーパレットをニュートラルカラー中心にしてダイヤモンドを強調するルックに仕上げた。淡い色合いの鳥が刺しゅうされたドレスはまさにネックレスの引き立て役となっている。
ガドットは、「サイモンがリネットに贈るネックレスはとんでもなく貴重なものでなくてはいけなかった。デルガドが世界で最も価値の高い宝石の一つである『ティファニー』のダイヤモンドを再現すると知った時、本当にドキドキした。『ティファニー』の華やかなジュエリーに囲まれるのは素敵な体験だった」と語った。
他にも「ティファニー」の“ヴィクトリア”シリーズや、“シュランバーゼー”と言ったジュエリーも登場する。デルガドは「ティファニー」のアーカイブ管理担当と協力して衣装デザインを行い、サイモンのカフリンクスなどさまざまなキャラクターに適したアクセサリーをスタイリングした。「この時代の『ティファニー』はメンズジュエリーを多く扱っていなかったが、男性のキャラクターも『ティファニー』のジュエリーを使用したら面白いと思った」と述べた。
「ティファニー」は12月、黄色と白を基調としたダイヤモンドを扱う“「ナイル殺人事件」コレクション”を世界各国の店頭で展示する。ニューヨークの旗艦店である「ザ・ティファニー・フラッグシップ・ネクストドア(The Tiffany Flagship Next Door)」をはじめ、ビバリーヒルズやロンドンのオールド・ボンド・ストリートのブティック、公式オンラインサイトなどで取り扱う。