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コーセー20年度上期は大幅な減収減益 中国市場が成長しアジアは17.0%増収

 コーセーの2020年4~9月期連結決算は売上高が前年同期比23.7%減の1302億円、営業利益が同85.8%減の40億円、経常利益が同85.6%減の40億円、純利益が同83.0%減の30億円となり、新型コロナウイルスの影響により大きく減収減益だった。

 事業別では、化粧品事業は中国で「コスメデコルテ(DECORTE)」が全チャネルで好調に推移。日本では高保湿エイジングケアブランド「ルシェリ(LECHERI)」がプラス成長となったが、免税売り上げが大きく減少したことが響き、「コスメデコルテ(DECORTE)」「アルビオン(ALBION)」「雪肌精」など主力ブランドが総じてマイナス成長となった。その結果、売上高は同23.5%減の1008億円、営業利益は69.2%減の93億円だった。コスメタリー事業はコロナ禍で需要が高まっている“リップ ジェルマジック”や“カール キープ マジック”が売り上げに寄与したほか、「スティーブンノル ニューヨーク」(STEPHEN KNOLL NEW YORK)」、コーセーコスメポートの「グレイスワン(GRACEONE)」が好調に推移。しかし外出自粛の影響でメイクアップやクレンジング、日焼け止め、シートマスクが不振で売上高は同23.3%減の281億円、営業損失が19億円だった(前年同期は4億円の営業利益)。

 地域別で見ると、日本は「メゾン コーセー(MAISON KOSE)」を中心としたプロモーション効果もありECが好調に推移したが、外出自粛に伴う購買意識の低下や免税売り上げの激減により売上高が同34.1%減の788億円だった。北米はロックダウンや外出規制の影響を受ける中、EC売り上げが好調に推移するも同22.3%減の129億円の減収だった。一方でアジアは中国でロックダウン解除後の百貨店チャネルが一気に回復しECも引き続き伸長。5月にTモールで販売を開始した「コスメデコルテ(DECORTE)」のAQラインと「雪肌精みやび」を売り上げに貢献した結果、売上高は同17.0%増の367億円と増収となった。国内の大幅な落ち込みと中国の成長を受け、海外売り上げ比率が39.4%(前年は29.9%)に上昇し、そのうちEC売り上げ比率が12.4%(前年は6.2%)、免税売り上げ比率が17.2%(前年は10.4%)とシェアを拡大した。

 下期は「コスメデコルテ」の新ブランドミューズを起用した50周年記念施策を11月に開始。12月には非接触のショッピング体験を提供する「メゾン コーセー」のフラッグシップストアを表参道にオープンする。また成長著しい中国市場では、新たな発信拠点として「コスメデコルテ」のコンセプトデザインショップを上海に設けるほか、海南島をフックとした「コスメデコルテ」「雪肌精」のブランド戦略を推進し免税事業に注力する。

 なお、年間着地見込みについては、日本は想定より回復スピードが遅く年間計画達成は厳しい状況だが、中国、韓国、欧米については年間計画を上回るとみている。4月に発表した連結業績予想に変更はなく、売上高が前期比12.5%減の2866億円、営業利益が同57,2%減の172億円、経常利益が同55.5%減の182億円、純利益が同53.2%減の125億円を見込む。

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