アップル(Apple)傘下の「ビーツ・バイ・ドクタードレ(Beats by Dr. Dre以下、ビーツ)」はこのほど、「ビーツ」史上最もリーズナブルなワイヤレスイヤフォン“ビーツ フレックス(Beats Flex)”を発売した。“ビーツ フレックス”は、前身モデルである“ビーツ エックス(Beats X)”(9800円前後)の柔軟性と利便性に優れたデザインを継承し、5400円という低価格ながら、機能面をアップデート。高品質・高音質にこだわってきた「ビーツ」が、新価格戦略に打って出る。
イヤフォン市場は現在、全世界で前年比13%増、年間5億台を売り上げる成長市場だ。ただし、50ドル(約5200円)以下の製品が中心で粗悪品も多く、買い替え頻度も高い。さらに有線イヤフォンのシェアがいまだに多くを占めており、無線イヤフォンへの切り替えに悩む多くが、「ペアリングのわずらわしさ」や「充電しなければならない不便さ」「耐久性が悪い」ことなどを理由に挙げているという。そこで“ビーツ フレックス”は、品質とユーザビリティーを向上させた上で、ニーズの高い価格帯にすることを念頭に置き、開発された。
“ビーツ フレックス”のネックバンド部分のケーブルは“ビーツ エックス”と同様の耐久性に優れたニチノールを使用。記憶合金のため、ぐるぐる巻いて、持ち歩くのも簡単だ。この象徴的なネックバンドを“FLEX”と呼んでいたことから商品名にも採用した。マグネット式イヤーパッドは、首から下げた状態でイヤーパッド同士をくっつけると自動的に一時停止し、耳に装着すると自動で再生する。また、風切音の低減機能を備えた内蔵マイクで通話機能が向上し、オンデバイスコントロールを使えば、音量調整や音楽再生、電話に出たりボイスアシスタントを起動したりできる。重量も以前より8%軽量化した。さらにバッテリー駆動時間は“ビーツ エックス”時代の最大8時間から最大12時間にアップグレードし、たった10分の急速充電で、1.5時間の再生が可能になった。
「ビーツ」は低価格市場も重要視しつつ、今後もアップルの高い品質と「ビーツ」の音質を追求していくという。
ブラックとイエローの2色はアップルの公式オンラインストアで販売しており、そのほかの「ビーツ」正規販売店では11月下旬に発売する。グレーとブルーは2021年初頭に発売予定だ。