ゴールドウインとスパイバーは10日、人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(Brewed Protein)」を使った新アイテム“ザ・セーター(THE SWEATER)」を発表した。ゴールドウインのオリジナルブランド「ゴールドウイン(GOLDWIN)」で、10日から特設サイトを通じ、日本を含む世界11カ国・地域に販売する。スパイバーの関山和秀社長は「先に発売した『ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)』“ムーン・パーカ(MOON PARKA)”とはタイプが異なり、こちらは天然繊維ならではの風合いを追求した素材。100%『ブリュード・プロテイン』で作ることもできたが、あえて上質なウール素材と混紡して作ることで、自然との調和を提案したかった。この『ブリュード・プロテイン』素材は、ウールだけでは表現できなかった軽さや柔らかさといった着心地の良さを実現しつつも、製造工程のおいては既存の設備や染色などの生産プロセスをそのまま使える。われわれの一つの意思表示だ」と語る。
価格は日本円で8万8000円、欧州では800ユーロ(9万6800円)、米国は800ドル(約8万3200円)。サイズはSMLの3サイズで、カラーはブラックのみ。特設サイト「ビジョンクエスト(VISION QUEST)」で、11月10日10時〜30日14時まで抽選を受け付け、数量限定で販売する。販売着数は非公表。
ゴールドウインは今後、表地や裏地、ダウン、ファスナーなども含め、全アイテムの全素材を、この人工タンパク質素材に置き換えることも想定。さらに回収して原料に戻し、再生する仕組みづくりの視野に入れた循環型のスポーツ・アウトドアアパレルを目指すという。
スパイバーは2021年の稼働を目指し、「ブリュード・プロテイン」の原料工場をタイに建設中で、10月にはその原料工場の10倍の生産能力を持つ工場の建設のため、米国の穀物メジャーであるアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニー(Archer Daniels Midland Company、以下ADM)との提携を発表している。