ゴールドウインの2020年4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比23.3%減の315億円、営業利益は同77.7%減の12億円、純利益は同82.7%減の6億2300万円だった。4〜5月は緊急事態宣言による店舗の営業自粛をしいられたが、想定よりも早期に営業再開でき、特にインバウンド比率が少ない郊外で直営・卸売店ともに回復基調となった。また6月にサイトリニューアルを実施したECも2ケタ成長を記録した。8月発表の計画では営業損益が15億円の赤字見通しだったが、利益率の高い自主管理売り場での売り上げの確保、返品・値引きによる販売ロス軽減の継続によって黒字をキープした。
事業別では、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を含むアウトドア関連事業が春から夏にかけてのキャンプ需要拡大を受けて順調に復調。売上高は前年同期比13.8%減の260億円で、7~9月期は同4%減とほぼ前年並みに回復した。一方、アスレチック関連ブランドは「ダンスキン(DANSKIN)」のヨガウエアが好調に推移するなどコロナ禍の新しい需要も見られたが、ラグビーユニホームなどを手掛ける「カンタベリー」が昨年のワールドカップ特需の反動で同58%減となった。
21年3月期は8月発表の修正計画を変更せず、売上高840億円(前期比14.2%減)、営業利益81億円(同53.7%減)、純利益64億円(同40.6%減)とする。ただしアウトドア関連事業は10月以降に前年を上回る。6日に行われた決算説明会で渡辺貴生社長は「利益の構成比の高い秋冬商材を投入する10~12月期の結果を見極めた上で、必要な場合は修正する」と話した。