アシックスの2020年1〜9月期連結決算は、売上高が前年同期比13.3%減の2482億円、営業利益が同74.1%減の32億円、純損益が34億円の赤字(前年同期は69億円の黒字)だった。2月以降、新型コロナウイルス感染拡大による直営店の営業停止や個人消費の冷え込み、各種競技大会の中止・延期によるプロモーション縮小で売り上げが大幅に落ち込んだが、店舗営業再開後は中華圏、欧州、北米で売り上げが順次回復し、8月以降は前年同期を上回るペースで推移した。またデジタルシフトの加速で海外を中心にEC売り上げが2倍以上に成長した。
足元の7〜9月期は売上高が同2.4%増の1013億円。在宅時間増加によるランニング需要の高まりを受け、欧州と中華圏を中心にパフォーマンスランニングが同19%増を記録した。またライフスタイルブランドのニーズが高まっているオセアニアを中心にスポーツスタイルが同5%増と伸びた。廣田康人社長COO(最高執行責任者)は「海外はECを中心に伸びているが、日本はこれから。デジタル化を進めるため、やるべきことはたくさんある」と語った。
これを踏まて、2020年12月期連結決算の業績予想を上方修正する。売上高3200億円(8月の前回予想は3000億円)、営業損益は60億円の赤字(同140億円の赤字)、純損益は170億円の赤字(同220億円の赤字)を見込む。売上高の復調に加えて、販管費の抑制の効果を盛り込んだ。