紳士服大手の青山商事は10日、400人程度の希望退職者を募集すると発表した。対象は2021年3月31日時点で40歳以上、勤続5年以上の正社員および無期契約社員。新型コロナウイルスによる業績の落ち込みを受けて、人員の適正化を図る。特別損失として40億円を21年3月期連結決算に計上する見通し。あわせて役員報酬も減額する。
同時に発表を見送っていた21年3月期の連結業績予想を発表した。売上高が1723億円(前期比20.9%減)、営業損益が128億円の赤字(前期は8億1800万円の黒字)、純損益が292億円の赤字(同169億円の赤字)を見込む。
衣料品市場全般が苦戦する中、ビジネススーツを主力とした紳士服業界はさらに深刻な状況だ。主力業態である「洋服の青山」「ザ・スーツカンパニー」ではコロナ以前からスーツ離れで売り上げは落ち込んでいたが、コロナ以降の働き方の変化、セレモニーの自粛などによってさらに悪化した。同社の4〜9月期の既存店売上高は緊急事態宣言による休業の影響もあって前年同月比45.6%減だった。