ネットフリックス(NETFLIX)で配信中のドラマ「ザ・クラウン(The Crown)」で、ダイアナ・フランセス(Diana Frances)元英国皇太子妃(以下、ダイアナ妃)演じるエマ・コリン(Emma Corrin)の衣装に注目が集まっている。
「ザ・クラウン」は英国王室を舞台としたドラマで、シーズン3まで公開中。作中ではエリザベス2世(Elizabeth II)やマーガレット王女(Princess Margaret)の実際のファッションから着想を得た衣装が使用されている。1981年にチャールズ皇太子(Prince Charles)と結婚し、ファッションアイコンとなったダイアナ妃は、15日に公開予定のシーズン4から登場する。
衣装を担当したのは衣装デザイナーのエイミー・ロバーツ(Amy Roberts)だ。ロバーツはダイアナ妃のファッションスタイルを研究し、アイコニックなアイテムを複数再現した。中でも力を入れているのは、ダイアナ妃が81年の結婚式で着用したウエディングドレスの衣装デザインだ。シーズン4の第3話の予告編には、エマニュエル夫妻(David and Elizabeth Emanuel)がデザインしたドレスとそっくりなものを着用したコリンが出演している。
ウエディングドレスの制作には4人で約4週間、600時間かけて作られたという。全部で95mの布と100mのレースを使用し、トレーンは約30mに上る。ロバーツはまた、レースの加工を実際のドレスを手掛けたノッティンガム・カンパニー(NOTTINGHAM COMPANY)に依頼した。
ロバーツはドレスの制作について、「私の仕事は、ビーズやパールの細かいところまで全て詳細にコピーすることではないと思った。それより、ダイアナ妃がきて出たときの素晴らしい瞬間のような、心に響く印象を与えたかった。それが私たちのやろうとしたことであり、有名なドレスを再現することへの恐怖で悩まされることはなかった。心配していると何もできないので、思い切ってやってみただけだ」と述べた。
またほかの登場人物であるエリザベス2世などとの作中での変化をつけるため、カラーパレットにもこだわったという。ダイアナ妃の衣装は明るくカラフルな色を中心にデザインし、エリザベス2世の衣装は暗めの落ち着いた色で構成している。
「シーズン4では視聴者を80年代に引き込んでおり、これまでのシーズンとは登場人物の役割も変わっている。エリザベス2世は4人の子を持つ母親で、フィリップ王配(Prince Philip)との結婚生活も落ち着きだした頃。一国の女王、君主として構えていないといけない。彼女をより地に足がついた人だと表現したかったので、遊び心のある色は使っていない」とコメントした。
ブルックリン ミュージアム(Brooklyn Museum)では「ザ・クラウン」のシーズン4に加えて、人気ドラマの「クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)」の衣装のバーチャル展示会を開催している。デジタル上で両作品の衣装を360度見ることができる。