ランドセルのセイバン(兵庫県たつの市、泉貴章社長)は、大人のための多機能バッグブランド「モノリス(MONOLITH)」を11月から販売開始した。ランドセルで培った技術を用いた新規事業としてバッグ・ラゲージ部門を強化する。ブランドディレクターにムロフィス代表の中室太輔氏を迎え、多機能かつスタイリッシュなデザインで既存商品に飽き足らない層に訴求する。EC(ネット通販)のほか、有力セレクトショップでのポップアップストアなどを通じて、手に触れられる機会を増やす。2021年中には都内に直営店の開設も計画する。
バッグパック、2WAYバッグ、トートバッグ、ショルダーバッグの4タイプで、サイズの違いなどを含めると31種類。耐久性のあるナイロンとシックなブラックのカラーリングを特徴としながら、「スタンダード」「オフィス」「プロ」の3ラインで構成する。使用シーンを想定しながら、大小のさまざまな収納スペースやポケットを設けた。ノートパソコンやスマートフォンはもちろん、周辺アクセサリーやケーブルなどもすっきり収まる。止水ジップやマグネット付きのポケットなど、細かい仕様にも気を配った。価格は1万2000〜4万4000円。
ブランドディレクターの中室氏は「今の多様な仕事のスタイルにぴったりなバッグ。スーツにもカジュアルにも合うミニマルなデザインはありそうでなかったと思う」と胸を張る。性別や年齢を問わず、定番として長く愛用されるブランドを目指す。11月7日から15日までセレクトショップのレショップ(L’ECHOPPE)青山店でポップアップストアを開催し、好評を博した。
セイバンは今年で創業101年の老舗ランドセルメーカー。レザー産業が盛んな兵庫県たつの市に拠点を起き、「天使のはね」の名前で知られる商品を販売してきた。少子化に伴ってランドセル以外の事業拡大が課題に浮上しており、国内での多角化や海外市場への参入を成長戦略に掲げている。