※この記事は2020年8月5日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
これが「ファッションの力@ビューティ業界」かな?
ユナイテッドアローズが化粧品事業に本格参入して、ジェンダーフリー設計のスキンケアブランド「ジュース」を立ち上げました。「WWDビューティ」の担当記者に話を聞くと、「真面目に作っていると思います」となかなかの高評価。ブランド自体、「美容はファッションの一部」と宣言しているそうですから、「ONE WWD JAPAN」として応援しないワケにはいきません。
ボトルデザインは、超イマドキなシンプル。深めのグリーンという色も、まぁ珍しくないカラーリングです。ジェンダーフリー設計の場合、こういう色に寄せるのもアリですね。メンズコスメのパッケージについて「男性ターゲットだからって、黒じゃなくていいのよ」って思っている天邪鬼なので(苦笑)、ダークトーンの理由が他にあったり、「いや、女性にも使っていただきたいんです」というスタンスだったりすると共感度アップです。
一番「へぇー」と思ったのは、ボトル裏の製品説明や成分表記が、全部英語だったことです。日本の会社が、日本で売っているのに、英語です。日本で売る製品は、その上に日本語のラベルを添付します。ビューティ担当者に話を聞くと、「UAは海外のお客さまも多いから」だそう。今の事情は異なるでしょうが、納得とともに「天晴れな大志である!」と、さらに応援したくなりました。
主成分は、佐賀県に自生する日本原種の種から芽生える椿。いつの日か、外国人がUAで製品を発見し、使って心地よさを体感して、調べて日本原産の椿にたどり着いてくれたら……。なんてステキなストーリーを想像しました。そう考えると、このシンプルなボトルデザインは「ジェンダーフリー設計」であり、「ユニバーサル設計(いや、今はインクルーシブ・デザインって言ったほうが良いかな?)」なのかしら?なんて思いました。
製品発表会にも参加していないブランドから、こんなストーリーが紡げてしまう。それはファッション・ブランドの力なのか?それとも自分自身が「ファッション・ブランドのコスメだから」と“ひいき目”だったり肩入れしたりしているからでしょうか?
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