20日に全面開業する「心斎橋パルコ」のオープニングセレモニーが18日朝に行われた。テープカットの後、密を避けるために予定より20分早い9時40分に招待客向けにプレオープンした。パルコカード会員など特別招待客に制限され、静かな幕開けとなった。
オープニングセレモニーでは、心斎橋パルコの広告ビジュアルムービーに起用された俳優の池松壮亮さんと、「水曜日のカンパネラ」のボーカルでモデルや役者としても活躍するコムアイさんのミニトークショーが行われた。池松さんは2014年の舞台「母に欲す」でパルコ劇場に出演、コムアイさんも15年に渋谷パルコで開催された「シブカル祭。」のテーマソングを担当するなど、パルコとは縁がある。今回のCM出演について、池松さんは「クリエイティブに優れたチームで制作され、パルコの覚悟と気合を感じた。あんなに踊るとは思わなかったが、あの衣装を着て動いているうちに、何か始まる感じがした」とコメント。コムアイさんは「外に出られない状況の中、広いスタジオで体を動かして汗をかいたので冬眠が溶けた感じがした。折り紙のような帽子を着られて楽しかった」と話した。
また、心斎橋パルコへの期待に関して、池松さんは「人と人の距離がひらいていくなか、ここが人と人が触れ合える場になり、パルコに行けば人と出会える場になればいいと思う。生きる人たちの記憶と物語に必ず、この場があったという場であってほしい」といい、コムアイさんは「多様なお店があるので、違う世代の人たちが生活の中で自然に訪れるような公園みたいなパブリックな場になればいいと思う」と語った。
一番乗りの男性4人組は早朝2時頃から並んだ。京都在住の大学生は「いろんなところにあるパルコが、自分の生活圏にできるということで興味がわいた。昔のパルコは知らないが、渋谷パルコみたいに最新のブティックがあって、いろんな芸術家の作品を置いている施設というイメージがある。ファッションだけでなくアートも好きなので、今日は空山基さんデザインのセクシーロボットを見るのが楽しみ」と笑顔を見せた。
大学でファッションを学ぶ奈良在住の20歳の男子大学生は「ギャルソンやサカイが好きなので、いつもは梅田の阪急メンズ館に行っていた。ニュースを見てパルコの存在を知ったので、これからは利用したいと思う。昔の心斎橋パルコは知らないが、渋谷パルコのようなおしゃれなイメージがある」と話した。
心斎橋パルコは、大丸心斎橋店との回遊性を高め、百貨店顧客とは異なる新たな客層の獲得をめざす。コロナ禍によって賑わいが消えた心斎橋の新たなランドマークとして、地元からも期待が寄せられている。