ファッション

「アグ」がサステナビリティに特化したサイトを開設

 「アグ(UGG)」は10月15日、“環境”“コミュニティー”“革新”の3つの柱に焦点を当てたウェブサイト「フィールグッド(Feel Good)」を立ち上げた。透明性と説明責任を育むことを目的としており、消費者がブランドの活動を知ることで、その影響を理解することができるようになっている。

 1978年創業の「アグ」は、クラシックなシープスキンブーツからアパレル、アクセサリー、ホームウエアへと多角化し、拡大を続けている。同社は2016年にデッカーズ ブランズ(DECKERS BRANDS)傘下ブランドとして国連グローバル・コンパクトに加盟。多様性、ジェンダー平等、女性のエンパワーメント、インクルージョンの重要性を掲げて、3万3000人以上の女性にトレーニングを行い、27年までにその数を10万人とする計画を立てている。

 また、パリ協定に沿って環境への影響を監視し、温室効果ガスの排出量を削減するために専門家のパートナーと協力して活動を開始し、21年までに科学的根拠に基づいた目標を設定することを計画している。さらに27年までにリサイクル、再利用、植物由来素材、バイオ由来素材、認証繊維の使用量を35%増やすことも掲げている。

 アンドレア・オドネル(Andrea O'Donnell)「アグ」ブランドプレジデントに米「WWD」が聞いた。

WWD:新たなイノベーション、そして新たなステップとは何か?

アンドレア・オドネル「アグ」ブランドプレジデント(以下、オドネル):私たちはこれまで、特にウールとリヨセルの混紡“アグプラッシュ(UGGplush)”と、天然ウールの“UGGpure(アグピュア)”を使って、廃棄物を減らし、環境への影響を最小限に抑えることに取り組んできた。さらに、アウトソールの“シュガーソール(SugarSole)”など、革新的なソリューションを含む、エキサイティングな新コレクションも発表する。同コレクションでは、成長が早く、雨水に依存し、灌漑を必要としない再生可能なサトウキビを採用。また、テンセルと植物由来の染料を使用し、化学物質への影響を軽減している。これは、私たちが取り組むイノベーションの一例に過ぎず、今後もシーズンごとに拡大していく。

 パートナーも重要だ。サヴォリー・インスティテュート(THE SAVORY INSTITUTE)とは、非営利団体「ランド・トゥ・マーケット」のプログラムの一環として、再生可能な農業プロジェクトのためのコラボレーションを開始した。同プログラムは、私たちが暮らす土地を保護し、回復させるために農家と協力し、人と地球の両方に良い影響を与えている。また、業界の専門家と協力して、パリ協定の目標に沿った温室効果ガスの計測や排出削減対策支援も行っている。

WWD:なぜサステナビリティに投資するようになったのか?

オドネル:私たちは皆、未来の世代のために地球を守る役割を担っており、このメッセージを伝え、推進していくことが重要だと考えた。それにはまず、自分たちが今どこにいるのかを理解し、環境への影響を最小限に抑えるためにブランドレベルで何ができるのかを正直に評価する必要があった。そこで専門家のパートナーに依頼して、積極的な変化を促進してきた。変化は一朝一夕には起こらないことは分かっているが、私たちは現在地と今後の方向性について、透明性を保ちたいと考えている。

WWD:踏み込んだステップをどのように伝えていくのか?

オドネル:ウェブサイト「フィールグッド」で、私たちの長期的な持続可能性の目標や計画、提携についての情報を提供したいと考えている。“環境”“コミュニティー”“革新”という3つの柱に基づいた活動や情報を閲覧したり、体験することができる。“環境”とは、地球を大切にし、事業が与える影響を最小限に抑えることだ。“コミュニティー”とは、従業員、お客さま、地域社会、そしてその先の人々を第一に考えること。そして最後に、“革新”とは、地域社会と地球のために、より良い製品を生み出すために努力し続けることだ。その3つにどのように取り組んでいるかを発信していく。

WWD:消費者との関係は?

オドネル:「アグ」は、“人々を感じさせる”ことで知られているブランドであり、私たちは消費者と密接で個人的な関係を持っている。サステナビリティと透明性が消費者にとって重要だ。このサイトで私たちの取り組みや計画を共有していく。

WWD:そのような消費者がいるからこそ、持続可能性を高めるための努力が必要か?

オドネル:消費者は私たちの原動力であり、消費者にとっての透明性を保つことが鍵だと思う。ファッションは現実的で、民主的で、同時に野心的なものであり得るというのが、私たちの信念だ。また、美しいだけでなく、革新的で、長持ちし、ポジティブなインパクトを与える商品を作っていきたい。

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