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伊藤忠と日本気象協会 天候データ活用でアパレル廃棄を減らす

 伊藤忠商事は、日本気象協会と提携してアパレル向けの需要予測サービスを始める。日本気象協会の中長期の天候予測と、伊藤忠の川上から川下のサプライチェーンを結びつけることで、アパレルの生産・販売計画の適正化を図る。ファッション業界の課題である在庫過多や値引き販売の乱発を抑える。

 2021年春夏からユナイテッドアローズ、ナノ・ユニバースなどの専門店とテスト運用を始め、効果や課題を検証したのち、22年春夏から本格的に展開する。

 まず各社のPOSデータなどを収集してファッション業界全体の商品の動きを学習する。その後、中長期の気象予測に基づき、生産計画、生産調整、売価変更の最適化を図る。生産計画では寒暖や降水量などの予想と近年の収益の実績を分析した上で、コートやカットソーなどアイテムごとの需要予測を弾き出し、発注量の決定に役立てる。販売計画では、週1回の頻度で気象予測・需要予測を配信し、値引きや棚割り変更のタイミングを知らせる。

 日本気象協会はこれまでも食品や日用品の企業に向けて同様のサービスを提供してきた。ビールや制汗剤では気温が1℃変わるだけで販売量が万単位で変わる。豆腐では廃棄を3割減らした実績もあるという。

25日にオンラインで会見した伊藤忠のファッションアパレル第二部の溝内剛士部長は「アパレルでは前年の販売実績をクリアする目標ありきで計画が作られるケースが多かった。客観的なデータに基づいた生産計画・販売計画を組むことで過剰在庫や大量廃棄などの問題解決をサポートしたい」と話した。

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