トキワはカラーコスメのOEM市場で、国内シェア25%以上を占めているリーディングカンパニーだ。“アクセラレータープログラム”は、7月15日~9月14日の期間で、事業開始準備期から事業開始直後のビューティーケア関連事業のアイデアを募集。D2Cを含むビューティケアメーカーはもちろん、サービス事業者や流通業まで幅広い企業を対象としている。
3回の審査を経て支援先として決定したプロジェクトには、トキワがパートナーとして協業し、⻑年培ってきたノウハウを元に研究開発から製造、販路開拓までを⼀気通貫でサポートする。具体的には、処⽅・容器開発・製造のノウハウのみならず、安全性や品質確認や薬事関連法への対処についてもサポート。最⼤3組までは、原材料・容器・実⽣産コストの全てを無償でサポート(1万個を上限などの諸条件あり)することで1000万円以上のキャッシュフローを創出し、事業開始時のリスク軽減、資⾦調達時の信⽤改善に貢献する。
応募テーマは“∞ infinity”。具体的には、“より人々を笑顔にできる幸せを提供できる製品・サービス”のほか、“よりヒトを輝かせることができる機能と、人体・環境への配慮を両立することができる製品開発のコンビネーション”“ダイバーシティ&インクルージョンを推進することができる製品・サービス”“次世代に誇れる社会貢献と持続的な商業活動を両立できる製品・サービス”など、サステナビリティに関することが大きなテーマとなっている。
“アクセラレータープログラム”の意義について、金井博之トキワ副社長は以下のように話す。「昨年、戦略的業務資本提携を経て第2創業を迎えたトキワは、グローバルマーケットで持続的に成長する道を選択した。世界の競合に伍して行くためには、トキワのみでは成し得ない革新と驚きをお客さまに提供し、サステナブルな企業へと変わる必要がある。オープンイノベーションを通じて、新たなパートナーとの共創ができることを期待して実施した。また、このプロジェクトの対象となるスタートアップ企業にとって、カラーコスメの商品販売はとても難しい分野。特にスキンケアとは異なり、世界各国の多様なお客さまのニーズに合わせた商品を提供するためには多色化対応力を確保する必要があり、開発から製造、物流にかかる費用負担も多くなる。そうしたカラーコスメでも、同分野に強みを持つトキワがパートナーとして協業することで、事業開始時のリスク軽減などに貢献できると考えている」。
審査員は西村豊・元リシュモンジャパン社長、渡辺雄介カーライル・ジャパン・エルエルシーマネージング ディレクター、矢野貴久子アイスタイル「BeautyTech.jp」編集長、渡部賢ノインCEO、今田素子インフォバーングループ本社CEO、酒井里奈ファーメンステーション代表、金井博之トキワ副社長など著名なビジネスパーソンが担当。11月27日に行われた最終審査の結果、3つのプロジェクトが選ばれた。
ホローマイクロニードルを用いたビジネスプランなどが採択
1つ目は、シンクランドの宮地邦男氏たちのプロジェクト。世界初のホローマイクロニードル(中空部分から薬剤の注入が可能なマイクロニードル)技術を用いたヘアケア・スキンケア製品の開発で、プラスチック由来ではない針を使用したマイクロニードルを使用することで、 クリーンビューティの要件を満たしている。
2つ目は、インフォバーンの中村圭氏たちのプロジェクト。グリーンパッケージを使用し、中身を詰め替え式にすることでコスメロスを減らす化粧品ビジネスのアイデアだ。
3つ目は特別サポートプログラムでの採択で、ユーブロームの柴田未央氏たちのプロジェクト。皮膚常在菌に着目したスキンケア商品の提供サービスで、皮膚常在菌の検査によって自分に合う化粧品を見つけることで、合わない化粧品の使用をやめ、コスメロスを減らすというビジネス案が選ばれた。