ファッション

「H&M」が廃棄物を素材にした意欲的な新作 循環型社会実現に向けて

 「H&M」は12月1日に、循環型ファッションを体現するコレクション“コンシャス・エクスクルーシブ(CONSCIOUS EXCLUSIVE)”の新作を公式オンラインストアで発売する。11月20日にはメディア向け内覧会が都内で開催され、窪塚洋介、滝沢眞規子、クリスウェブ佳子、蜷川実花らも来場した。

 同コレクションでは、“これまで当たり前に廃棄されていたものから美しさを生み出すこと”を目的に、全てのアイテムに不要になった衣服や食用作物ゴミなどの廃棄物を再利用した素材を使用する。

 今回はリサイクルポリエステル素材「レニュー」を100%使用したグリーンのチュールワンピース(2万9999円、税込)、循環型セルロース繊維“ナイア・リニュー”を使用したフローラルプリントのジャガードパターンのシャツ(9999円)、メンズはリサイクルポリエステル、テンセル、ウールをブレンドしたブラックのダブルブレストタキシード(ジャケット1万8999円、パンツ1万3999円)など、パーティーシーンで活躍するアイテムがそろう。

 ブーツ(1万5999円)に使用した“べジーア”は今回の注目素材の一つで、ブドウの皮や茎、種などを原料に製造されたビーガンレザーだ。そのほか、メンズのツイルシャツジャケット(9499円)に用いた“アグラループ ヘンプバイオファイバー”は、農業廃棄物を繊維に生まれ変わらせる革新的技術でヘンプシードオイルの搾りかすから作られたもの。また、サングラス(5999円)に用いたプラスチック“メイド・オブ・エア”は、製造する過程で空気中の二酸化炭素を吸収するため、製造工程で排出される以上の二酸化炭素を吸収し、環境にポジティブなインパクトを与える。

 エイチ・アンド・エムヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパンの山浦誉史CSR・サステイナビリティ・コーディネーターは、「『H&M』が初めてオーガニックコットンを使用した1997年の“ネイチャーコーリングコレクション”では、デザイン性が伴わずアイテムが売れない苦い経験をした。それを踏まえて“コンシャス・エクスクルーシブ”コレクションでは挑戦を重ね、サステナブルな素材でハイエンドなものが作れるというメッセージを業界に発信できるものになった」と話す。2012年に開始した“コンシャス・エクスクルーシブ”コレクションは今シーズンで終了し、今後は通常ラインにもサステナブルな素材を積極的に取り入れていくという。

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