ビジネス

東レが和紙の風合いと機能性を併せ持つテキスタイル開発 独自のナノデザインを駆使

 東レは、和紙のように柔らかく、さらっとした心地よさと合成繊維ならではの機能性を併せ持つポリエステル長繊維テキスタイル“カミフ(CAMIFU)”を開発した。

 手すきの和紙が持つ質感から着想し、ランダムな凹凸感を発現することで、従来のテキスタイルでは表現しづらかった心地よい触感を実現した。これは、東レの複合紡糸技術“ナノデザイン(NANODESIGN)”を駆使して開発された複雑な空隙を含む糸束構造から生み出されたもの。構成するポリマーの一部に再利用したフィルム屑を使用するなど環境にも配慮した。

 石井慎二=東レ婦人・紳士衣料事業部部長は、「約1年前に発表した“キナリ(KINARI)”は天然絹のようなエレガントな感性を重視した素材だが、“カミフ”は当社ならではの技術力を生かしてこれまでにない機能性も兼ね備えている。革新的な技術による先端素材はファッションの可能性を広げ、ライフスタイルを変えることができる。新型コロナの影響で、下期の売り上げは前年と比較して70%ほどに落ち込んだが、“カミフ”でブレイクスルーしたい」と話した。また、“カミフ”を使用したウエアを着用して記者発表に登場した東レキャンペーンガールのアイリス・ウー(Iris Woo)は、「とても着心地がよく、心が癒された」とコメントした。

 国内外のメンズとウィメンズのハイエンドゾーンに向けたカジュアルなアウターを中心とするテキスタイルとして、2022年春夏シーズン向けから販売する。海外でも展開する予定で、売り上げ目標は22年度に3億円を計画している。東レはナノデザインに関連した商材の全体の売上高100億円を目指しており、そのうちファッション関連は約20億円が目標だ。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。