アメリカで大規模セールが展開された27日の「ブラックフライデー(Black Friday)」は、アドビ・アナリティクス(ADOBE ANALYTICS)のデータによるとオンラインの売り上げが90億ドル(約9360億円)に達した。2019年の74億ドル(約7680億円)から21.6%増となった。同調査によるとこれは、19年の「サイバーマンデー(Cyber Monday)」に次ぐ米国史上2番目に規模の大きいオンライン売り上げとなる。
ブラックフライデーは例年、「サンクスギビング(感謝祭。11月の第4木曜日。今年は11月26日)」翌日に行われ、開店前からお店に行列ができるなど大きな盛り上がりを見せる一大セールデー。今年はパンデミック下での開催となり、密集を避ける狙いから11月を通してセールを行ったブランドや企業が多かったため、売上高は比較的緩やかに伸びたという。
一注文あたりの平均購買額は27.50ドル(約2800円)で、スマートフォンからの発注が25.3%増加して36億ドル(約3740億円)でオンライン全体の40%を占めた。店頭渡しの利用は、前年に対して52%増加した。売れ筋商品は、ミニカーやホバーボード、レゴなどのおもちゃから、アップル(APPLE)社のワイヤレスイヤホン“エアーポッズ(AirPods)”と“アップルウォッチ(APPLE WATCH)”、アマゾン(AMAZON)のスマートスピーカー“エコー(ECHO)”、「サムスン(SAMSUNG)」のテレビなど。
企業側は安全対策を全てリストアップすることで感染拡大懸念の緩和を試みているが、多くの消費者は新型コロナ禍で屋内での買い物を控えているという。「ブラックフライデー」で最も盛り上がるマンハッタンに位置する米百貨店のメイシーズ(MACY'S)では27日、ビューティアイテムやシューズ売り場は賑わいを見せたものの、過去数年の忙しさは見られなかった。同エリアのブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)ではハンドバッグ売り場が混雑していたというが、比較的落ち着いた様子だった。
「ブラックフライデー」の翌週の月曜日は「サイバーマンデー」と呼ばれ、引き続き大規模なセールを開催する。アドビ・アナリティクスは、30日に行われている今年の「サイバーマンデー」で史上最大のオンラインでの売り上げを達成すると予想する。売上高は108億〜127億ドル(約1兆1200億〜1兆3200億円)と推定しており、前年に対して15〜35%の増加を見込む。