群馬・桐生市の注目ショップ2店目は、“旅のコンセプトショップ”を掲げる「パーヴェイヤーズ(PURVEYORS)」。もともと古い鉄工所だったという大きな建物を生かして、テントなどのアウトドアギアを扱うお店として2017年3月にオープンしました。私が初めて同店を訪れたのは19年の春。それ以来の2回目の訪問として11月8日にお店を訪れましたが、今秋のリニューアルで1階がカフェレストランになり、3階はアパレルフロアとして本格オープンするなど、かなり進化していました。さらに、来年2月にはクラフトビールのブルワリーも1階にできるんだとか!
同店のオーナーは小林宏明Perk社長。もともとアウトドアイベントや飲食業のプロデュース、映像制作などを手掛けていた小林社長は、桐生や群馬県の出身者ではありません。そんな小林社長が桐生に出店することになったきっかけは、前回の記事で紹介した桐生の老舗セレクト店「エスティーカンパニー」の環敏夫社長との出会い。「環さんと知り合わなければ桐生とは一生縁がなかったかもしれない」と笑いながら話します。小林社長が以前経営していた渋谷のカフェに環社長が客として通っていたことで知り合い、そこから桐生の街を知り、魅せられていったそう。「街の全体感が見渡せて、コンパクトな中に山や川や街がある絶妙な規模感が桐生の魅力」と語ります。
サボテンを求めて県外からリピート訪問
11月7、8日に「パーヴェイヤーズ」「エスティ―カンパニー」、アトリエ兼ボードゲームカフェの「ふふふ」という桐生の3店で行われたグリーン(植栽)のイベント「プランツショー」は、「パーヴェイヤーズ」主導でスタートしたもの。今回で3回目の開催でした。「規格外のサボテンなどを売るイベントとして当初は自店だけで行っていたが、県外からのお客さまを含めて驚くほど集客があった。リピート客にもつながっている」ことを受けて、他2店とも組んで桐生の街全体に客を呼び込むようにしたんだとか。
来年2月には、1階にクラフトビールのブルワリーも完成予定。桐生の水を使い、クラフトビール界では非常によく知られた醸造士だという阿久澤健志氏をパートナーに迎えて作るビールがどんなものになるのか、非常に楽しみです。
桐生はもともと絹織物や刺しゅうなどのファッションの一大産地として栄えた街。それゆえ、「シンイチロウアラカワ(SHINICHIRO ARAKAWA)」の荒川眞一郎さん、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」の高橋盾さん、「ハイク(HYKE)」の大出由紀子さんなど、数多くの有力デザイナーを輩出し、「エスティーカンパニー」がそうしたファッション文化を絶やさないように耕し続けてきました。そんな桐生に、アウトドアや飲食といった専門分野を持つ小林社長をはじめとする「パーヴェイヤーズ」のチームが新たに加わることで、街のカルチャーがさらに多方面に広がって、魅力が増していっているように感じます。
■PURVEYORS
住所:群馬県桐生市仲町2-11-4
営業時間:2、3階は11~22時(1階カフェは11時30分から営業)
定休日;月曜、火曜