近年の環境保護に対する意識の高まりにつれて、サステナビリティに取り組む企業が増加している。ファッション業界も例外ではなく、資金調達面でも環境保護を意識した“グリーンボンド”を発行する動きが出てきている。シャネル(CHANEL)などの例も含めて、以下に紹介する。(この記事はWWDジャパン2020年11月30日号からの抜粋です)
グリーンボンドとは、資金の使途を地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど環境問題の解決に役立つ事業に限定した債券を指す。2008年に世界銀行グループ(WORLD BANK GROUP)の国際復興開発銀行(INTERNATIONAL BANK FOR RECONSTRUCTION AND DEVELOPMENT)が“グリーンボンド”という名称で債券を発行したのが始まりで、資金調達をすると同時に環境分野への取り組みをアピールできることもあり、現在では多くの企業や金融機関、地方自治体などが発行している。英国の非政府組織である気候債券イニシアチブ(Climate Bonds Initiative)によれば、19年における世界のグリーンボンド発行額は2575億ドル(約26兆円)だったが、20年にはおよそ3500億ドル(約36兆円)に達する見込みだという。
なお、グリーンボンドは定義が法律で定められておらず、発行体が使途を自己申告する仕組みになっている。そこで投資家に対する透明性を担保するため、資本市場の業界団体である国際資本市場協会(International Capital Market Association)が自主的なガイドライン「グリーンボンド原則」を定めている。
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