ファッション

「ジーユー」が2021年春夏物で最大30パーセント値下げ トレンド×低価格を強化 コロナ禍で売れたのは「強みのトレンド品」

 「ジーユー(GU)」は2021年春夏物で、主力のトレンド商品を値下げする。前春夏物に比べて最大で30パーセント価格を下げ、コロナ禍による消費の冷え込みに対応する。「コロナ禍においても売り場で好調だったのはトレンド商品だった。ファッションを楽しみたいという気持ちはお客さまの間で高まっているが、景気の先行き不透明感から節約志向も広がっている」(柚木治ジーユー社長)ことが値下げの背景だ。

 「ジーユー」は前春夏でも値下げを打ち出しており、今季も得意とするファッション性の高いアイテムで値下げを実施。値下げをする具体的な型数などは公表していないが、「ジーユーは売り上げの約6割がトレンドアイテムであり、その中でもまとまった数量を値下げする」(広報担当者)。パフスリーブの袖を布帛に切り替えたウィメンズのカットソーワンピースは、昨年は同様の形を2990円で販売していたものを1990円に。キャミソールワンピースも1990円を1490円に下げる。トレンドのデザインブラウスも1690~1990円と、2000円以下で買えるようにした。イージーケアなどの面にも配慮し、トレンド×実用性×低価格を打ち出す。

 コロナ禍を受けて、「無印良品」も今秋主力72品目を値下げしている。それと異なるのは、「無印良品」は定番品が中心で、「ジーユー」はトレンド品であるという点。昨年の値下げと同様、客の声を反映してアイテムを決め込み、早期に発注、素材を集約して適宜QRを組み合わせることで、定番品よりもニーズの変化が起こりやすいトレンド品でも値下げを実現する。

 「ジーユー」はリーマンショックの翌年の09年に打ち出した990円ジーンズで一気に知名度を高めたという過去があり、トレンド×低価格の打ち出しはアイデンティティーとも呼べるもの。ただし、「リーマンショック後は(外資ファストファッションの上陸などもあり)低価格であること自体がトレンドだったが、今は低価格だけでは支持されない。低価格かつ必要なもの、好きなものでなければ売れない」と柚木社長。

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