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ロンシャン社長フィリップ・キャスグラン氏が死去 新型コロナによる合併症で

 ロンシャン(LONGCHAMP)の社長を務めるフィリップ・キャスグラン(Philippe Cassegrain)氏が11月30日、新型コロナウイルスの合併症により亡くなった。83歳だった。

 「ロンシャン」は1948年にキャスグラン氏の父、ジャン・キャスグラン(Jean Cassegrain)氏がパリで革張りのタバコ用パイプからスタート。以降家族経営の元で、メンズレザーグッズなどへブランドを拡大した。

 キャスグラン氏は1950年代から父親のもとでアジアやアフリカ、アメリカに赴き、同エリアへのブランド進出に貢献した。その後商品開発や製造、販売まで幅広くビジネスに関わり、72年から経営に携わる。60年に及ぶキャリアの中で、ナイロンとレザーを合わせた旅行用バッグを多く手掛け、93年には日本でも根強い人気のレザーとナイロンのコンビバッグ“ル プリアージュ”をデザインし、発売した。同シリーズはこれまでに3000万本売れているというベストセラーだ。

 「ロンシャン」は声明の中で「キャスグラン氏は、駆け抜ける馬に乗る騎手を描くわれわれのブランドロゴのように飽くなき好奇心を持ったクリエイターだった。毎シーズン彼は新しいメンズバッグやラゲージコレクションの開発に取り組んだ。毎日オフィスに来ては職人や開発者、製図を手掛ける人と対話を重ねて、全てのアイテムにスマートで公正な精神を注いだ」と述べた。

 同ブランドは現在キャスグラン氏の長男ジャン・キャスグラン最高経営責任者が運営しており、世界80カ国に300を超える店舗を展開する。

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