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百貨店11月度は1割の減収 感染第3波が影響

 主要百貨店5社の11月度業績は、前年同月と比較して1割の減収だった。前年11月は消費増税(2019年10月)前の駆け込み消費の反動で約1割減収(18年同月比)だったが、今年の各社の業績はそれをやや下回ったことになる。要因は新型コロナ第3波。中旬〜下旬にかけて東京をはじめ各地で感染者が再び増加傾向に転じ、日を追うに連れて影響が色濃く出た。

 各社の既存店売上高は三越伊勢丹が前年同月比14.7%減、高島屋が同11.9%減、大丸松坂屋百貨店が同21. 6%減、そごう・西武が同11.1%減、阪急阪神百貨店が同13.7%減だった。新型コロナの影響で、「月後半にかけて失速した」(大丸松坂屋百貨店広報)、「ミセス、シニア層の来店が大幅に減った」(阪急阪神百貨店)との声が上がる。

 そのような中、都心店では国内優良客の購買が下支えしている。「ロイヤリティーの高いお客様の購買には(新型コロナの)影響をほとんど感じない」と三越伊勢丹広報。両本店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店)でもラグジュアリーブランドのハンドバッグ(同5%増)や宝飾(同7%増)、時計(同19%増)など高額品が堅調だった。店舗ごとの売り上げ推移は伊勢丹新宿本店が同12.6%減で「免税客を除けば5%減程度の水準」(同社広報)、三越日本橋本店も同10%減。伊勢丹立川店(同13.5%減)や伊勢丹浦和店(同9.9%減)といった郊外店とほぼ同水準になっている。高島屋は特選衣料雑貨が同8%増、宝飾が同18%増。そごう・西武も、ダウンジャケットや雑貨が売れ、特選衣料雑貨が同10%増だった。阪急阪神百貨店の阪急うめだ本店は、9月導入のウェブ決済サービス「リモーダー」が高額品カテゴリーで好調な滑り出しを見せている。

 衣料品は引き続き低調。三越伊勢丹の両本店はコート、セーターが前年比約3割減。高島屋は婦人服が36%減、紳士服が同30%減だった。

 各社は年末年始にかけ、店舗での福袋販売や一斉セールを中止・規模縮小する方針をとる。三越伊勢丹はクリアランスセールを各売り場で順次開始し、福袋は在庫のほとんどをECで予約販売する。高島屋も同様に12月から福袋の予約受付を開始し、「リアル店舗での福袋販売は一切しない」(同社広報)方針。秋冬物のセールの始動も各売り場ごととする。

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