「キャロル」2月11日、全国ロードショー 配給:ファントム・フィルム(c) NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
人気女優の2人によるラブシーンが話題の映画「キャロル(Carol)」が2016年2月11日に上映される。物語は1950年代のニューヨークを舞台に、百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトするテレーズ(ルーニー・マーラ、Rooney Mara)が客として現れたキャロル(ケイト・ブランシェット、Cate Blanchett)に惹かれ、恋に落ちるロマンス映画だ。衣装を担当したのは、「恋に落ちたシェイクスピア」や「アビエイター」「ヴィクトリア女王 世紀の愛」などでアカデミー衣裳デザイン賞を受賞したサンディ・パウエル(Sandy Powell)。50年代スタイルや主人公2人の衣装を通してどのように表現したのか話を聴いた。
サンディ・パウエル/衣装デザイナー
WWDジャパン(以下、WWD):50年代のニューヨークのファッションはどのようだった?
サンディ・パウエル(以下、サンディ):本作は、52年のニューヨークが舞台。同年のニューヨークは実際、皆がイメージするような“50’sスタイル”とは異なって、第2次世界大戦から復興しようとするヨーロッパの都市のように、色は控えめだった。
WWD:衣装のインスピレーション源、デザインするのに参考にした資料は?
サンディ: 50年代当時のファッション誌やダグラス・サークの作品。特に、ストリートフォトグラファーのルース・オーキンやヴィヴィアン・マイヤーの写真がお手本になった。
WWD:テレーズとキャロル、それぞれの衣装のポイントは?
サンディ:テレーズは、百貨店でアルバイトをしているけれど、写真家としてアーティストの一面もある。個性的なスタイルも着こなすけれど、服にこだわりすぎない普通の女の子に見せたかった。一方、キャロルのワードローブは、50年代の貴婦人にヒントを得たもの。テレーズのような若い子が手本にしたいと感じるように、ほどよくエレガントな雰囲気に。色は赤を中心に選んでいて、ファーをまとい、グローブを合わせて、ラグジュアリーかつコンサバな印象に。
(c) NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
WWD:注目してほしい衣装は?
サンディ:注目して観てほしいのは、テレーズがキャロルに憧れ、出会ってから服のテイストが変わっていくさま。終盤、テレーズが成長して、変身を遂げた時に、どれだけキャロルから影響されていたのか、衣装を通して分かるようにした。