アシックス(ASICS)は12月10日、ファッション産業の環境負荷軽減に向けた国際的な枠組みである「ファッション協定(THE FASHION PACT)」に、日本企業として初めて加盟したと発表した。
「ファッション協定」は2019年8月、フランス・ビアリッツで開催されたG7サミットで欧米を中心とするファッションおよびテキスタイル企業32社が、気候変動、生物多様性、海洋保護の3分野で共通の具体的な目標に向かって取り組むことを誓約したもので、現在までにグッチ(GUCCI)やサンローラン(SAINT LAURENT)を擁するケリング(KRING)、シャネル(CHANEL)、エルメス(HERMES)、ナイキ(NIKE)、アディダス(ADIDAS)、H&Mへネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ)、ザラ(ZARA)を擁するインディテックス(INDITEX)など60社200以上のブランドが加盟している。
廣田康人アシックス代表取締役兼COOは、「将来世代にわたり、多くの人々が心身ともに健康的になる世界を実現させるためには持続可能な地球環境が不可欠であると考えている。ファッション業界における環境負荷軽減をさらに加速させるために、『ファッション協定』加盟企業と連携し、業界一丸となった取り組みを推進していく」とコメントを発表した。
また、かねてから小泉進次郎環境大臣は「ファッション協定」への日本企業の参加を促しており、「WWDジャパン」が11月に行ったインタビューでも「どれだけいい取り組みをしていても『ファッション協定』に日本企業の参加がゼロの時点で日本のファッション企業はサステナビリティに関心がないと見られても仕方ないだろう。協定の指標が日本と合わないという懸念もあるようだが、国際社会にメッセージを届けるという大局から考えると参加せずに外で発言していても始まらない。まず土俵に上がり、日本の意見や立場を伝え始めないと非常にもったいない」と言及していた。