文藝春秋はこのほど、メディアプラットフォームのnoteを運営するnoteと資本業務提携したことを発表した。今後、共同コミュニティーの創出やnote上でのデジタル文芸賞・新人賞などの各種イベントの共催を通した出版文化の未来を担う人材の育成、両社社員の知識や技術取得を目的とした社員交流なども行う。
両社は2019年11月に月刊「文藝春秋」が初のデジタル定期購読サービスとしてnoteを使った「文藝春秋digital」をスタートさせたことをきっかけに、noteで人気のクリエイターを「文藝春秋」本誌の書き手に迎えたり、共同イベントを開催したりなどのコラボレーションが生まれていた。
中部嘉人文藝春秋社長は「文藝春秋は、作家の菊池寛が『人に頼まれて物を言うのではなく、自分で考えていることを自由な心持ちで言ってみたい』と思い、立ち上げた雑誌から始まった出版社だ。全てのクリエイターのためのプラットフォームとして誕生したnoteの成り立ちは、菊池寛が創刊した雑誌「文藝春秋」にきわめて似ている。書き手の存在なくして出版文化は成り立たない。未来を担う書き手(クリエイター)を発掘し育成する――noteはそうした私たちの志を共有する心強いパートナーだと考えている。出版業界では今、プリントメディアとデジタルメディアの垣根がなくなりつつある。『デジタルはプリントの対抗軸』と考えられていた時代は終わり、今やコンテンツは両方の空間を自由に行き来している。文藝春秋が新たな時代に適合し、この先も読者にずっと良質なコンテンツを届けていく上で、noteとの協業は大きな効果をもたらすと信じている」とコメントした。