ファッション

スピック&スパンの2021年春夏  予約販売で「リアルな需要予測」

 スピック&スパン(SPICK & SPAN)の2021年春夏は、“Let‘s Move On(次に移ろう)”を合言葉に、1月からピンク、ピスタチオ、バターイエローなどのアイキャッチでカラフルな商品を並べ、春の訪れのワクワク感を演出する。コーディネートは「気心地が良いけれど、きちんと感もある」ことを重視し、ウエストをマークしたようなアイテムやシアー感のあるアイテムなどをポイント使いしてメリハリを付けて打ち出す。

 強化アイテムはデニム。展示会では、オリジナルのデニムライン「ファイブ アンド ハーフ(5 1/2)」で特に人気の“ビューティラインデニム”の新色や新型、さらに買い付けブランドでは「ティッカ(TICCA)」のワンピースや「マニプリ(MANIPURI)」のスカーフなどの幅広いデニムアイテムをそろえる。

 今季の買い付けブランドの傾向について、久松哲也ディレクターは「海外出張を控えたことで、結果的に国内ブランドの比率が上がった」とコメント。別注企画を意図的に増やし、国内ブランドでも「『スピック』でしか買えないモノを増やした」と加える。一方で、20-21年秋冬に好評だった「ジャスト(JUST)」「セカンドフィメール(SECOND FEMALE)」などのコペンハーゲンブランドは継続して買い付けた。「セレクトショップとして新しい提案は欠かさない」として、新規で「イザベルマランエトワール(ISABEL MARANT ETOILE)」「イロット(IIROT )」を導入する。さらに雑貨の仕入れ比率を上げて、バッグやシューズのラインアップを増やした。

 ベイクルーズではグループ全体でプロパー期のセール抑制を行っている。この一環としてスピック&スパンでは、ECサイトでの予約販売商品の品番数を大幅に増やしている。リアルな需要予測で、予約好調アイテムの追加発注に予算を回し、不要在庫の圧縮に取り組む。さらにEC限定商材や再入荷リクエスト商材のリピート発注などの施策が「在庫ロス削減と売上高アップにつながっている」という。

村上杏理:1986年、北海道生まれ。大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションやライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。1女児の母

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