ファッション

ジャーナル スタンダードの2021年春夏 「プロパーでも買いたい」別注品やコラボ品強化でセール回避

 ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)の2021年春夏は、“ロマンティック ビンテージ”をテーマに、ミリタリー風のジャケットにビンテージレースの付け襟を重ねたり、フェミニンなブラウスをメンズライクなパンツと合わせたりするミックステイストのスタイリングを打ち出す。加えて“コンフォタブル ベーシック”をテーマに、ボーダー柄のバスクシャツやGジャン、サロペットなど動きやすくて1枚でサマになる定番アイテムを提案する。

 シーズンレスで着用できるカットソー素材のトップスやボトムスも幅広くラインアップ。背景には、新型コロナウイルスによる外出自粛期間中に、自社ECでカットソー商品が例年の1.5倍売れたことがある。

 ベイクルーズではプロパー期のセール抑制を進めているが、池田彰レディースディレクターは「単にセール品?を減らすのではなく、あくまでファッションの業態として、お客さまに定価でも購入したいと思ってもらえる提案に力を入れる」と語る。別注品やコラボ企画を強化して、「キアリス ヴィンテージ&クローゼット(KIARIS VINTAGE & CLOSET)」とコラボしたビンテージ風のオリジナルワンピースやパンツなどの7型を1月16日に発売する。「クラネ(CLANE)」の人気ショップスタッフ、古茂田綾乃とコラボしたオリジナルアイテムも2月から展開予定だ。

 買い付けブランドは「約8割に抑えている」と言うが、「ナナナナサーカ(77CIRCA)」や「ニードルズ(NEEDLES)」などの国内ブランドは、別注品を含めてを多くそろえる。新規で、メキシカンパーカのみを扱う国内ブランド「メキパ(MEXIPA)」を導入した。

 また同社では、ECと実店舗の相互の顧客情報をリアルタイムに反映し、1人ひとりに最適なショッピング体験を提供する“ユニファイドコマース”の戦略を進めている。ジャーナル スタンダードでも「ECでは、お客さまが欲しい商品や追加リクエストの要望にいかに応えられるかが重要。店舗でも、QRタグを読み取ることで直接自宅に届けたり、再入荷リクエストを出せたりなど、欲しい商品をいち早く提供できるような取り組みを行っている」。ECと店舗のデータ一元化で買い物の利便性を図る取り組みが、同時に在庫の適正化にもつながっている。

村上杏理:1986年、北海道生まれ。大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションやライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。1女児の母

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