仏ロレアル グループは日本ロレアル(NIHON L'OREAL)を通して、日本発ドクターズブランド「タカミ」を製造販売するタカミを買収する。取引額は明かされていないが、今後数週間以内に取引が完了する予定だ。この買収は、グループの戦略判断に基づき行われた。タカミは東京・表参道にある2つの皮膚科クリニック「タカミクリニック」の創始者である高見洋医師が所有するスキンケアブランド「タカミ」をライセンスで製品を開発・販売。ロレアルは今回、タカミの買収に伴い、高見医師とのブランドライセンス契約を長期間更新した。
「タカミ」は1999年に設立されたプレミアムスキンケアブランドで、角質ケアに特化。中でも主力製品の角質美容水“タカミスキンピール”は、今年誕生15周年を迎えたベストセラーだ。中国でも人気の製品で、「リトルブルーボトル(小藍瓶)」として知られている。製品は銀座にある路面店のほか、百貨店やバラエティーストア、サブスクリプション型のECで展開している。なお、ブランドの売上高は2019年に約68億円だった。一方、タカミクリニックは高見医師が99年に表参道に開院し、毛穴やニキビケアで知られている。
シリル・シャピュイ(Cyril Chapuy)=ロレアル リュクス プレジデントは「『タカミ』ブランドを当社のポートフォリオに迎えることができ、大変うれしく思う。アジアにおける『タカミ』の高い定評は、その品質の高さに匹敵する。同社のプレステージビューティトリートメントの専門知識とオムニチャネルの販売網は、ロレアルリュクスのブランドポートフォリオにおいて極めて補完的だ」と話す。一方岡村雄嗣タカミ社長兼オーナーは「美容皮膚科タカミクリニックのノウハウから生まれた私たちの製品は、日本の消費者の高い要求水準を満たす品質と効能を提供している。日本での21年間の成長を経て、世界をリードするビューティカンパニーであるロレアルグループの一員となり、その科学的・国際的な専門知識を得てブランドをさらに発展させていく」とコメント。
なお、ロレアルが日本のブランドを買収するのは「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」以来、二度目だ。