不動産企業のヒューリックが手がけるホテルブランド「ザ・ゲート ホテル東京 バイ ヒューリック(THE GATE HOTEL TOKYO BY HULIC以下、ゲートホテル東京)」は、東京・銀座数寄屋橋交差点の複合施設ヒューリック スクエア東京内にある。同ホテルは12年に開業した「ザ・ゲート ホテル雷門 バイ ヒューリック」に続き18年12月にオープン。東京メトロ銀座駅や日比谷駅、JR有楽町駅から徒歩3分以内と駅近で、銀座のダイナミズムを感じながら、こだわりの空間と食が楽しめるようになっている。複合ビルに入っているため、外からは一見ホテルとは分からないが、4階ロビーに行くとゆったりとしたラウンジ、そして広々としたテラスが広がっている。銀座のど真ん中にありながら知る人ぞ知る存在の「ゲートホテル東京」の宿泊リポートをお届けする。
自然光が降り注ぐ4階のロビーラウンジは天井が高く開放感たっぷりで、“バルセロナ チェア”や“LC-1”などの名作モダン家具が置かれている。広いオープンエアーのテラス席もあり数寄屋橋交差点を一望できる。寒いにもかかわらず、テラスでミーティングをするビジネスマンの姿が見られた。ロビーの入り口にはドリンクをサービスするカウンターがあり、宿泊客でなくてもドリンクを楽しめるようになっている。ラウンジの右手にチェックインカウンターがあり、その奥にはオールデーダイニングの「アンカー東京(ANCHOR TOKYO以下、アンカー)」がある。「アンカー」の手前には宿泊客やレストランの利用客がくつろげるソファが置かれたスペースを設けるなど、細やかな気配りが感じられる。「ゲートホテル東京」のコンセプトは、“大人のためのホテル”。ホテルの楽しみ方を知る大人に楽しんでもらうのが目的だ。また、テラスを設けることにより、都心にいながら、自然の外気と街の喧騒を同時に楽しめるようになっている。
ジャグジーのあるテラス付きスイートや天蓋付きの客室も
「ゲートホテル東京」は、施設内4〜13階で164室。“秘すれば花”をテーマに、銀座の“粋”や“華やかさ”を表現した6タイプの客室がある。約73平方メートルのスイート“ザ・ゲート”の目玉はテラスに置かれたジャグジー。汐留のビル郡を見ながらジャグジーでリラックスできるようになっている。また、都市型ホテルには珍しい天蓋付きベッドが置かれた“キャノピー”は天井高が高い客室ゆえの演出だ。一番の人気は、数寄屋橋交差点に面したコーナルームの“リュクス”で時間と共に変化する銀座の街並みを楽しめるようになっている。また、ビジネスユース用に「ヴィトラ(VITRA)」の昇降デスクを設置した“モデスト”などもあり、幅広い層にアピールするようになっている。正規価格は、“モデスト”が消費税、サービス料込みで3万2670円(1人使用)。その他は、消費税、サービス料込み、2人使用で5万5660〜9万750円、スイートは24万24万5630円だ。
13階がプレミアムフロアで、客室およびテラス付きラウンジや日比谷公園を見渡せるフィットネスラウンジがある。また、宿泊客以外でも利用できる「鉄板焼やすま」では、厳選した和牛や魚介類をカウンターまたは、個室というプライベートな空間で味わうことができる。宿泊せずとも通う常連客がいるというから、味はお墨付きだ。
味わってみて分かる“こだわり”が散りばめられた「アンカー」
オールデーダイニングの「アンカー」は、カウンター、テラス、テーブルとシーン別に楽しめるレストランだ。ここも天井が高く開放的で、シャンパンをイメージしたアートが華やかな雰囲気を醸し出している。私は、スタッフのおすすめの“シャルキュトリー ソムリエのおつまみ(以下、ソムリエのおつまみ)”や “市場直送本日の鮮魚”に定番の“ホタテのポワレ ブルギニョン風”を特別添えたものなどをいただいた。ボリュームたっぷりのハムやリエットの盛り合わせ“ソムリエのおつまみ”はボリューム感たっぷりでお酒がすすむこと間違いなしだ。パンは毎日、京都の老舗パン屋進々堂から取り寄せ。「一度は食べてみたい」と言われるモチモチのパンを東京で食べられるのはパン好きにはたまらない。メーンの魚とホタテも優しいクリームソースが上品な味わい。“サラダやスープなどもあり、“ゲートホテル カレー”や“和牛肉お茶漬け風”といったユニークなオリジナルメニューにも注目だ。
シンプルでエレガントな客室は文句なし、高級マットレスで朝まで熟睡
私が宿泊したのは13階の“クラッシー”ツイン。ドアを開けると左手にクローゼットがあり、ベッドの奥の窓際のソファで銀座の風景を見ながらくつろげるようになっている。一見シンプルだが無駄がなくエレガント。洗面所には2つのシンクがあり、オリジナルのフード付きバスローブやアメニティーが置いてある。バスルームには、オケと椅子があり、日本風のお風呂、ユニットバス、いずれの使用もOK。「ネスプレッソ(NESPRESSO)」のコーヒーマシンはもちろんのこと、ミラーリング機能のついたテレビや「エムズシステム(M’S SYSTEM)」のオリジナルスピーカーなど備品にもこだわっている。だが、何と言ってもすばらしかったのは「シモンズ(SIMMONS)」のマットレスだ。その心地よさといったら、枕が変わると眠れないことが多い私でも朝まで熟睡。ホテル1階の同ブランドのショップを覗こうかと思うくらい心地良い眠りだった。
エッグベネディクトに「エシレ」バター、マーマレードはホームメード
「アンカー」の朝食はセットでメーンをエッグベネディクトかフレンチトーストから選ぶようになっている。朝9時ごろに「アンカー」に行くと、ほぼ、満席。家族連れやカップル、ビジネスマンなどさまざまだ。メニューはサラダ、フルーツとヨーグルト、スープ、メーンと盛りだくさん。もちろん、これにコーヒーか紅茶が付く。朝食というよりは、ブランチというのが相応しい内容だ。パンは先述した京都の「進々堂」、バターは「エシレ(ECHIRE)」、マーマレードは自家製、オレンジジュースはしぼりたてと朝食もこだわりがたっぷり。これだけの皿数の朝食を提供するには、調理場もサービスする側も大変だ。どちらも、若いスタッフがキビキビと働いていたのが印象に残った。私も、あのようなエッグベネディクトを作れるように練習しようと決意して、自然光あふれるロビーを後にした。