2021年春のメイクアップは、コロナ禍という経験を経た「今の気分」が表現されているように思う。さまざまなストレスとの対峙を強いられた、重苦しい空気感から一歩踏み出すように。コレクションのテーマは「春の訪れ」「希望」「夜明け」など、「幕開け」のイメージが目立つ。カラーは花々や木々など、自然の延長線上にあるような、穏やかなトーンが充実している印象だ。そんなメイクのトレンドを、3つのキーワードでひも解きたい。
【メイクトレンド1】
アイカラーの主役は自然を想起する 「ボタニカルカラー」
マスク着用の習慣が続く限り、メイクは「目元」に軸足が置かれそうだ。21年春のアイカラーのトレンドは「ベージュ」「ブラウン」「ローズピンク」など、穏やかなトーンのカラーたち。昨年春のトレンドが明るい「イエロー」だったことを考えると、実に対照的である。
陽光の下で咲くみずみずしい花々を表現した「ディオール(DIOR) 」、植物との出合いをテーマにした「ルナソル(LUNASOL)」など、“自然界の美”にインスパイアされたコレクションも多い。自由に外出することがままならない中「自然に触れ穏やかな気分で過ごしたい」、そんな思いが伝わってくる。どの色も透け感に優れており、まだ完全に楽天的になれないけれど「軽やかさ」「透明感」を求める気持ちを象徴している。
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2021年1月22日発売 カネボウ化粧品「ルナソル」“アイカラーレーション 11 Savage Rose”6200円
植物や花々との出会いから生まれたシアーな4色
カネボウ化粧品の「ルナソル」から登場するのは、プラントハンターが世界各地で出合った、花々や草木にインスパイアされたコレクション。“アイカラーレーション 11”は、温かなローズやブラウンが織りなす4色パレット。1色ごと質感が異なり、いずれもシアーな発色で、重ねづけしても美しいのが特徴だ。穏やかなまなざしを演出したい。
2021年1月1日限定発売 「ディオール」“トリオ ブリック パレット<ピュア グロウ> 643 ピュア ペタルズ”7700円
春の訪れとともに咲き誇る、みずみずしい花々の息吹
「ディオール」の春コレクションのテーマは“ピュアグロウ”。春の日差しのもとでほころぶ蕾、色とりどりに咲く花々を表現した、みずみずしいカラーたち。花の刻印が美しい“トリオ ブリック パレット<ピュア グロウ> 643”は、まさに陽光のようなゴールド、ブラウン、ピンクの3色パレット。目元に繊細な輝きを添え、優しげな表情が手に入る。
【メイクトレンド2】
大人の遊び心あふれる 「中間色」のアイライナー
ここ数年人気のカラーアイライナーは、マスク着用習慣で、ますます存在感が高まりそうだ。これまでは若年層を中心に、赤やボルドーが流行していたけれど、今シーズンの注目カラーは「絶妙な中間色」。「スック(SUQQU) 」からは、ホワイトを含むスタイリッシュなスモーキーグレーが。「セルヴォーク(CELVOKE) 」からは、赤みを帯びたビターピンクが登場。いずれも、ありそうでなかった、大人のためのモダンなカラー。あえて太めに入れて、目元に遊び心溢れるニュアンスを添えたい。
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2021年1月8日発売 「スック」“ニュアンス アイライナー 03 グレー”3000円
スタイリッシュな中間色。他にはないスモーキーグレー
「春の朝」をテーマに、アースカラーやペールカラーが登場する「スック」の春コレクション。ひときわ目を引くアイテムが、“ニュアンス アイライナー 03”だ。ホワイトを含む絶妙なスモーキーグレーで、モダンな表情に仕上がる大人のためのニュアンスカラー。フエルトタイプで、太い線も細い線も描きやすく、洗練された目元へと導いてくれる。
2021年1月8日発売 「スック」“ニュアンス アイライナー 03 グレー”3000円
スタイリッシュな中間色。他にはないスモーキーグレー
「春の朝」をテーマに、アースカラーやペールカラーが登場する「スック」の春コレクション。ひときわ目を引くアイテムが、“ニュアンス アイライナー 03”だ。ホワイトを含む絶妙なスモーキーグレーで、モダンな表情に仕上がる大人のためのニュアンスカラー。フエルトタイプで、太い線も細い線も描きやすく、洗練された目元へと導いてくれる。
2021年1月8日限定発売 「セルヴォーク」“シュアネス アイライナーリキッド S EX03 ピンクパール”2800円
大人の遊び心溢れる、輝きに満ちたビターピンク
不安な時代を抜けた先に希望を見出し、穏やかな愛で包み込んでいく――。「セルヴォーク」の春はそんな「慈愛」をテーマにした、ビターピンクのコレクションだ。“シュアネス アイライナーリキッド S EX03”は、ほんのり赤みを帯びた、甘すぎない大人のピンク。繊細なパールの輝きで目元にうるみ感を添え、女性らしさとモードな雰囲気を両立。
2021年1月8日限定発売 「セルヴォーク」“シュアネス アイライナーリキッド S EX03 ピンクパール”2800円
大人の遊び心溢れる、輝きに満ちたビターピンク
不安な時代を抜けた先に希望を見出し、穏やかな愛で包み込んでいく――。「セルヴォーク」の春はそんな「慈愛」をテーマにした、ビターピンクのコレクションだ。“シュアネス アイライナーリキッド S EX03”は、ほんのり赤みを帯びた、甘すぎない大人のピンク。繊細なパールの輝きで目元にうるみ感を添え、女性らしさとモードな雰囲気を両立。
【メイクトレンド3】
リップは透け感のある トリートメント系
この春も各社から続々リップカラーが登場するけれど、個人的に「今はこういうものがつけたいな」と感じたのが、トリートメント効果に優れた「透けリップ」。「アディクション(ADDICTION) 」から登場する全9色の“リップ オイル プランパー”は、唇に潤いとツヤ、そして淡いニュアンスを添える心地良い感触が印象的。「ジバンシイ(GIVENCHY)」の“ランテルディ・リップスティック No.01”は、しっとり唇を包み込み、唇本来の色を透かしながら微細な輝きを添えるニュアンスブルー。双方共にストレスフリーの使い心地と、マスクを外した時にも「唇本来の立体感が際立つ」効果が嬉しい。
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2021年1月3日限定発売 「ジバンシイ」“ランテルディ・リップスティック No.01 フローズン・ブルー”4000円
夜明けの空を表現したオーロラ発色のブルーリップ
ブルーからピンクへと移り変わる「夜明けの空」を表現した、「ジバンシイ」の春コレクション。“ランテルディ・リップスティック No.01”は、トリートメント効果に優れたスティックに、偏光パールを忍ばせたシアーな質感。唇の赤をほんのり透かし、繊細な光の粒子がまたたく質感が美しい。手持ちのリップのニュアンスチェンジにも活躍する。
2021年1月8日発売 「アディクション」“リップ オイル プランパー 005 Entice Me”全9色(3000円)
ぷっくりとした唇へと導くオイル プランパー
「朝露」にインスパイアされた「アディクション」の春コレクション。“リップ オイル プランパー”は、厚みのあるテクスチャーが唇をしっとり包み込み、朝露のようにぷっくりとした立体感を演出。全9色のカラーはシロップのように透明感に優れ、見ているだけで気分が上がりそう。ほんのりビターかつ甘いハーブの香りにリラックスしたい。
コロナ禍を経て、リップを使う機会が減ったように「一時的に変化したこと」もあれば、スキンケアで肌を立て直す重要性のように「本質に気づかされたこと」もある。たぶん、私たちは2020年の経験から、今後「自分に本当に必要なもの」を、よりシビアに選択していくことになるだろう。
そういう意味で、この1年間で最も価値観が変わり、女性たちの目下最大の関心事といえば「ベースメイク」にほかならない。次回のコラムでは、ベースメイクの未来について考えたい。