ニトリホールディングスは来年から再び出店を加速する。昨年と今年は年間で30〜50店舗増の出店にとどまっていたものの、来期からは倍増の年100店舗を出店する。出店は主にショッピングセンターになり、スクラップ&ビルドも含め、1000平方メートル以上の大型サイズになるようだ。似鳥昭雄ニトリHD会長兼CEOは「来年は100店舗以上、再来年も最低100店舗は出店する。昨年と今年は準備をしていた。ヒト・モノ・カネすべてを使って再び攻勢に出る」と意欲を示す。アパレルの新業態「エヌプラス」だけでも来期で15〜20店舗の出店を計画しており、「『エヌプラス』はいずれ100店舗200店舗、いずれは海外も含め1000店舗体制へと持っていきたい。(10月にTOBを表明した)島忠と同様にアパレルでもTOBや買収に積極的に参加していく」という。
ニトリHDは、主力の家具・インテリア「ニトリ」を中心にコロナ下でも快進撃が続いており、20年3〜11月期の売上高は前年同期比12.2%増の5401億円、営業利益は同40.3%増の1185億円、経常利益は同39.1%増の1196億円、純利益は同33.4%増の767億円だった。粗利益は同17.1%増の3986億円、粗利益率は2.3ポイント上昇の57.1%になった。9〜11月の既存店は9月が前年同期比1.6%減、10月が同2.0%増、11月が同3.4%増とやや落ち着きを見せているものの、2〜11月の累計の既存店売上高は10.9%増となっており、前年同期比だと6.0ポイントも増加した。
似鳥会長は「来期からは建設コストの下落に転じるため、東京・大阪などに所有する3000坪の土地の開発を進めるほか、店舗と物流センターに関してもなるべく自前で作っていく」という。物流に関しては今後5年で2000億円を投じて、全国に自社物流センターの構築と拠点の集約・大型化を進める。
21年2月期に関しては前回発表の見通しを据え置き、売上高7026億円(前年比9.4%増)、営業利益1329億円(同23.7%増)、経常利益1341億円(同22.4%増)、純利益853億円(同19.5%増)と、34期連続の増収増益の達成を見込む。