花王は、国際非営利団体CDPが昨年12月に発表した2020年度の環境先進企業に関する調査結果で、「気候変動」「森林」「水」の3つ分野で最高評価の“Aリスト”企業に選定された。評価対象となった約5800社の中でトリプルA企業は前年度の6社から10社に増加。国内企業では、トリプルA獲得は初となる。花王のAリスト入りは「気候変動」分野が2回目、「森林」分野は初、「水」分野は4回目。
同社は2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を策定。製品のライフサイクル全体を通して環境負荷低減に積極的に取り組む。今回のAリスト選定で評価された点は、CO2削減目標の策定、パーム油や紙・パルプの持続可能な調達の推進、国内外工場における水使用量の削減や節水製品の提供、消費者などさまざまなステークホルダーと協働で行う“いっしょにeco”の活動、気候変動や森林伐採、水リスクがビジネスに及ぼすリスクについての積極的な開示など。
本年度の調査でAリストに選定された企業は300社以上となり、前年度比45%増だった。国別では日本企業が最も多く66社がAリストに選ばれ、次いで米国が58社、英国が21社、ドイツが19社、フランスが18社の順だった。Aリストに選定された日本企業は、欧州事業の全電力を再生可能エネルギーに切り替えたトヨタのほか、富士通、キリン、三菱電機、NEC、サントリー食品インターナショナルなど。Aリスト企業は増加傾向にあるものの、全体の74%はC~Dスコアの間にあり、環境情報の開示をし始めたばかりの企業が大部分を占めている。