「体形に合わせてカスタマイズ生産したスーツ」に「誕生石や好みのチャームでカスタマイズできるアクセサリー」などなど、消費を導く“カスタマイズ”の重要性が語られるようになって久しいですが、この度、スウェーデンのジュエリーブランド「オール ブルース(ALL BLUES)」から、世界に一つしかない激レアなカスタマイズアイテムが届きました。それはズバリ!……私を3Dスキャンして作ったペーパーウェイト(いわゆる文鎮)です!!高さ約3.5センチ、奥行き約2センチとコンパクトですが、骨格や顔の肉付きが忠実に反映されていて猛烈に精緻な作り。スターリングシルバー製で重量感もあって、昔学校にあった偉人の胸像みたいです(モデルは偉人でなく私なんですが……)。
そもそもこのペーパーウェイト、どういう経緯で製作することになったのかというと、2019年10月に東京・銀座の「ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA以下、ドーバー)」で開かれたイベント“オープンハウス”がきっかけでした。“オープンハウス”はシーズンに一度、「ドーバー」で販売しているさまざまなブランドのデザイナーが集結してお客さんとコミュニケーションをするというものですが(コロナ禍を受け、ここ数シーズンは残念ながら開催されていません)、19-20年秋冬シーズンは「オール ブルース」のチームも同イベントに来日していました。そして、「その場で3Dスキャンをして、ペーパーウェイトやペンダントヘッドを作る」という企画を行っていたのです。
その時、はにかみながら「これは僕のおじいちゃんとおばあちゃんを3Dスキャンして作ったんだよ」と手のひらに載せた2つのペーパーウェイトを紹介してくれたのが、ブランドのファウンダーの一人、ジェイコブ・スカラッゲ(Jacob Skragge)さん。他に、友人カップルをスキャンして作ったというペンダントヘッドも見せてくれました。自分の好きなモノ、大切なモノを象っていくというそのあったかくてチャーミングなアイデアに、同イベントを取材していた「WWDジャパン」編集長の向と私はガッツリ共感。せっかくの機会なので、われわれも3Dスキャンしていただくことになったのでした。
「ドーバー」の売り場の中に設えられた黄色い透明の幕の中に立ち、その周りをスキャン用の機材を持ったスタッフさんがぐるりと360度まわってデータを取り込んでいくと、あっという間にスキャンは終了。「あとは完成をお楽しみに~」ということで、約1年後に届いたのが冒頭の写真のペーパーウェイトです。編集長・向のもとに届いたペーパーウェイトも見せてもらいましたが、こちらも精緻な作りでまるでそこに小さな編集長がいるかのよう!向がリモートワークで不在の際には、会社のデスク上にミニ向を置いておけば編集部の空気がきっと締まるはずです。
「オール ブルース」は商品だけでなく包装も素敵で、商品を購入すると本の形のボックスの中に入れてもらえるのですが、今回のペーパーウェイトもオリジナルボックスに入って届きました!実は私、元々「オール ブルース」のファンで、19年の春に福岡に出張した際に「ビオトープ(BIOTOP)」でブランドを知り、以来チェーンブレスレットやネックレスを文字通り毎日のように愛用しています。同ブランドが使用しているスターリングシルバーやゴールドはリサイクル素材で、彼らの拠点ストックホルムで地元の工場の職人が一つ一つ手作業で作っているんだとか。チャーミングでウィットに富んだ発想と共に、そうしたローカルに根差したモノ作りの姿勢も非常に今っぽいですよね。今回のことで、ますますこのブランドのファンになりました。そして、コロナが早く終息し、こんなふうに好きなブランドのデザイナーと対面で交流する機会がまた訪れるといいなと願ってやみません。
今回のような3Dスキャンは特別なイベント時しか行っていないですが、「オール ブルース」の通常の商品は前述の「ドーバー」や「ビオトープ」、ECの「エッセンス(SSENCE)」などで扱っています。気になった方は是非チェックを!