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百貨店12月度は1〜2割の減収 「緊急事態宣言」の再発出に戦々恐々

 百貨店主要5社の2020年12月度業績は、おしなべて1〜2割の減収だった。9〜11月に掛けて郊外店、続いて都心店でも徐々に業績の回復傾向が見られたが、新型コロナ第3波が本格化したことで再び停滞している。クリスマスやおせち料理などの巣ごもり需要、衣料品のセール前倒しなども目立った押し上げ効果にはつながっていない。

 各社の前年同月と比較した売上高は、三越伊勢丹が14.0%減、高島屋が12.3%減、大丸松坂屋百貨店が19.3%減、そごう・西武が9.6%減、阪急阪神百貨店が16.5%減。「都心店を中心に、来店客数が11月よりも減っている」(阪急阪神百貨店)「入店、購買客ともに大きく前年を割った」(そごう・西武)との声が上がる。

 衣料品フロアなどでは12月からクリアランスセールを段階的に開始したが、目立った誘客効果は得られていないようだ。三越伊勢丹はECでセールを前倒して開始したものの、両本店(三越日本橋本店、伊勢丹新宿本店)で婦人服が前年同月比1割減、紳士服が同2割減。高島屋は婦人服が同26 %減、紳士服が同36%減だった。「(暖冬傾向だった前年と比較して)気温が低いからコートが売れるかといえば、そういう傾向も見られない。衣料品は全般的に厳しい状況」(同社広報)。

 特選衣料など高価格帯の商品は、国内富裕層の消費に支えられて引き続き堅調。「例年であれば年末年始の旅行などに充てる娯楽費を、百貨店での消費に転じているのではないか」(阪急阪神百貨店広報)。同社の特選衣料・雑貨は前年同月の実績を上回り、遠方客向けのウェブ決済サービスでは250万円を超える注文もあった。そのほかの4社も特選衣料・雑貨カテゴリーは前年同月実績を超えた。

 4日には、菅義偉首相が1都3県で特措法に基づく「緊急事態宣言」の発出を検討していることを発表した。具体的な制限内容・対象については明らかにされていないものの、百貨店各社には戦々恐々としたムードが漂っている。「現時点での当社の対応は全くの白紙」(大丸松坂屋百貨店広報)「政府の動きを注視しているが、再び営業が短縮・停止ということなれば、かなり厳しい状況になる」(三越伊勢丹広報)。

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