バーチャルリアリティー空間上でさまざまな展示や体験、3Dアイテムやリアル商品の売買ができるイベント「バーチャルマーケット5」が開催中だ(10日まで)。世界から70万人以上の来場者が集まる、世界最大級のバーチャルイベントで、1100人超のクリエイターが出展するほか、東宝やタカラトミー、大丸松坂屋百貨店など73社も参加している。
ビームス(BEAMS)も原宿店をベースにしたショップを出店。ももいろクローバーZやゴジラとのコラボTシャツに加え、ビデオゲーム「ニーア オートマタ(NieR:Automata)」のキャラクターやバーチャルマーケット公式アバター「Vケットちゃん」の特別バージョンのアバターなどを販売した。そんなビームス初のバーチャルショップでスタッフアバターを取材。ブランドマーケティング本部宣伝販促部宣伝課兼ビジネスプロデュース部ビジネスプロデュース課の稲垣文彦さんとブランドマーケティング本部宣伝販促部宣伝課の桑原優季さんにショップを案内してもらった。
ビームスは今回約30人のスタッフがバーチャル接客を行なったという。稲垣さんと桑原さんは取材時が3度目のタイミングで動きもスムーズ。「世界にビームスを知ってもらう機会になったと思います」と桑原さん。英語圏と中東系の人の来店が多い印象で、男女比は半々くらいだったという。「商品についての接客というよりは、ビームスの説明だったり、『どこから来たの?』というようなコミュニケーションが多かったです。コロナ禍で接触が難しい時期ですが、新しいお客さまと新しい形で関わりを持つことができたと思います」。
VRヘッドセットは慣れていないと、見える景色の揺れに平衡感覚を失い、めまいを起こしがちだ。2人共、すごく慣れているように見えたが、「全然ダメです。今(取材時)も酔っちゃってます」と桑原さん。「最初は2人とも苦戦しましたが、慣れてはきました」と稲垣さん。「手振り身振りはいろいろできるので、英語が苦手でも気持ちが伝わるケースがあり、良いなと思いました。顔の表情も変わるのでテキストのチャットに比べるとコミュニケーションがしやすいです。ショップにリアルにスタッフがいるということが少ないようで珍しがられるのと、海外のお客さまも日本が好きな方が多いので、片言の日本語を話してくれたり、『日本語教えてください』や『オススメのアニメを教えてください』と言われて教えるとすごく喜んでもらえました」。大小さまざまなアバターがやってくるのも面白かったという。
バーチャルならではの接客法も披露してくれた。
おもてなしする姿勢はリアルもバーチャルも一緒で、接客やコミュニケーション力はビームスの強みだと改めて実感した。これを機にビームスを知り、東京・原宿のビームスに行ってみたいと思う海外の人もいそうだ。
「バーチャルマーケット5」については「WWDジャパン」2021年1月18日号で詳報予定だ。