※この記事は2020年10月12日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「アレを売るためのコレ」不要論
アダストリアがライセンス契約した「エーランド(ALAND)」のMDに関する下の記事、「そうか、皆はコレに驚くのか」という印象でした。私には「ですよねぇ」ばかりだったんですけれどね(笑)。
例えば、「アパレルのうち、7割がトップス」というくだり。コレは、皆さんにとって「斬新!」なのでしょうか?でも、“自分ごと化”してみましょう。トップスはデザイナーズ、ボトムスはまぁまぁ量販店ブランドなコーディネイト、皆さんにとっても当たり前でしょう?ワタクシはその傾向がかなり強く、ボトムスは「モンベル」「マムート」「ユニクロ U(ウィメンズ)」に大依存。あとは「ミスター ジェントルマン」と、セットアップのパンツがあれば生きていけます(笑)。「ボトムスにこだわってこそ」という方にお会いすると「すごいなぁ~」と思うのですが、トップスをパンツインしない限り、ボトムスって結局見えないんですよねぇ。私は価格に対するメリットを感じきれず、ブティックと呼ばれる店舗で買う洋服は、ほとんどがトップスです。
以前、国内アパレルの総合ブランドの展示会で、正直どうってことないインナーの値札を見たら1万円オーバーでビックリしたことがありました。「んー、買わない!」、そう思ったのです。話を聞くと、出ました、業界の定番の言い訳。「コレがあるから、アレが売れるんです」とか「コレが、アレを引き立てるんです」とおっしゃいます。
それって、本当ですか?「コレ」が引き立てないと売れない「アレ」なら、「アレ」の商品力を高めて「コレ」が無くても売れるように頑張ればいいのに。で、最終的に引き立て役の「コレ」はどうするのか?そんな思考がグルグル渦巻きました。
こういう既成概念から解放されて波に乗ったのが、マッシュホールディングスだと理解しています。純粋な「こんなのが欲しい」から商品企画を始めるから、シーズンのファーストデリバリーのMDバランスは毎回バラバラ。それを期中の商品で少しずつ修正するMDと聞いています(ですよね、五十君デスク?)。「セルフォード」が立ち上がった時の、リンク2本目の記事にマッシュのモノ作りの根幹が垣間見える気がします。
マッシュの躍進と、「エーランド」のロケットスタート。コレはもう、「アレを売るためのコレ」から解放されて良い時の到来と考えるべきではないでしょうか?
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