「思い切って新しいことに挑戦するチャンスと捉えるべき。アパレルも従来と同じなら低迷する一方だが、新しいことに取り込むところは成果を出している」――。9日、伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOは、2度目の緊急事態宣言の影響が懸念される繊維ファッション業界についてそう語った。コロナが収束しても「元には戻らないだろう」と見ており、変化への対応が重要との見方を強調した。
東京・青山の東京本社ビルのプロジェクションマッピングの現場を訪れ、記者の質問に答えた。岡藤会長CEOは原宿の「デサント」の旗艦店で自ら買い求めたという“水沢ダウン”を着ていた。同製品は岩手県奥州市のデサントの自社工場で作られる人気商品だ。「(コロナ下で)メード・イン・ジャパンが再評価されている。ファッションに限らず、あらゆる分野でそうなっている」とも話した。
伊藤忠のプロジェクションマッピングは、コロナの終息と世界中の幸福への願いを込め、9日から11日の18〜20時に、青山通り沿いの本社ビルの壁面に21カ国の言語でメッセージを発信する。ユーチューブでのライブ配信も行う。