ロレアル(L'OREAL)が手掛けるパーソナライズビューティテック「ペルソ(PERSO)」が今春、「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT 以下、YSL)」のリップスティックで本格ローンチする。もともと昨年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー (Consumer Electronics Show 以下、CES)で披露されたもので、今年のCESで「YSL」でのローンチを発表した。“イヴ・サンローラン ルージュ シュール ムジュール パワード バイ ペルソ(Yves Saint Laurent Rouge Sur Mesure Powered by Perso)”と名付けたデバイスで、「YSL」のリップスティックを好みの色にカスタマイズできる仕様になっている(仕上がりはベルベットクリームマット)。アメリカでは数量限定で予約を開始しており、3〜4月ごろに消費者に届く予定だ。日本での展開は未定だが、グローバルでは9月に店頭およびオンラインでの発売を計画している。
デバイスは3つのカラーカートリッジを入れられるようになっており、カートリッジからそれぞれ適量のリップカラーが抽出されデバイスの上部で混ぜて使う仕組みだ。レッド、ピンク、ヌード、オレンジと4種のカラーファミリーがあり、それぞれ3つのカラーカートリッジがセットになっている。5000種類以上のリップが調合可能で、1回の調合につき1回分の量が抽出される。デバイス本体の価格は299ドル(約3万1000円)で、2つのカートリッジが付いてくる。追加のカートリッジ(3本セット)は100ドル(約1万400円)で、カートリッジ1本は従来のリップスティック1本分の容量だという。
色を調合するには、専用アプリとの連動が必要だ。アプリ内の既存の色から好みのものを選んだり、アプリで撮影した写真から色を合わせて調合したりできる。“シェードスタイリスト”という機能を用いれば、洋服に合わせて色を提案してくれ、そこからリップの色を作ることも可能だ。リップカラーが抽出される上部は取り外せるようになっており、持ち運びもできる。
アプリは色を調合するためのツールだけでなく、今後1つのSNSに育てる予定だという。ギーヴ・バルーチ(Guive Balooch)=ロレアル テクノロジー インキュベーター バイス プレジデントは「ブランドが発信するトレンドに加え、アプリ内のほかのユーザーが発信するリップスティックのトレンドを試せる。アプリでは、それらトレンドをAR技術でバーチャルにトライできるサービスも提供する」と説明する。自身で調合したカラーはアプリ内でほかのユーザーと共有も可能だ。
同技術には5年の歳月をかけて開発したという。まずは「YSL」のリップスティックで展開するが、ファンデーションやスキンケアにも対応が可能。2021年末までに環境などさまざまな条件に合わせてパーソナライズできるスキンケアの製品化を計画している。また、ほかのブランドへの導入も検討している。