LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、2021年度「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」の候補者募集を開始した。8回目の開催となる「LVMHプライズ」の申請は公式ウェブサイトから可能で、2月28日まで受け付ける。
最終選考に駒を進めるセミファイナリストの選出についてLVMHは、「パンデミックによる一部の行動制限を受けて、21年のセミファイナル選抜は4月6〜11日にデジタルで開催する。国際的に活躍するエキスパートのそれぞれが、オンライン上でデザイナーを選出する」と述べた。これまでは3月のパリ・ファッション・ウイーク期間中の展示会形式のイベントで行われていたが、デジタルシフトとなった。
審査員はLVMHが有するブランドを手掛けるデザイナーから、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)やステラ・マッカートニー(Stella McCartney)、リアーナ(Rihanna 本名:ロビン・リアーナ・フェンティ)、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)らが務める。
加えて、デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」エグゼクティブ・バイス・プレジデント、ジャン・ポール・クラヴリー(Jean-Paul Claverie)LVMH社会貢献活動部門責任者、シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼最高経営責任者といった名だたるメンバーが名を連ねる。
「LVMHプライズ」は13年11月、若手ファッションデザイナーの育成・支援を掲げ、アルノー=ルイ・ヴィトン エグゼクティブ・バイス・プレジデントが中心となりスタートした。応募資格は、40歳未満で少なくとも2つのコレクションを製作していること。
勝者は賞金として30万ユーロ(約3780万円)を受け取るほか、LVMHグループのエキスパートによる1年にわたるメンターシップ(指導)を受けられる機会を獲得する。また創設当初から審査員として参加していた故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏の功績を称えて「カール・ラガーフェルド賞」と改称された特別賞の勝者は賞金15万ユーロ(約1890万円)と、グランプリ同様に1年間の指導を受ける機会を手にする。
20年度の「LVMHプライズ」は中止となり、LVMHは若手デザイナーの支援により深く焦点を当てた。ファイナリストに選ばれていた小泉智貴「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」デザイナーやピーター・ドゥ「ピーター ドゥ(PETER DO)」デザイナーら8組は、グランプリ賞金を競う代わりにそれぞれ4万ユーロ(約504万円)が与えられた。
引き続き若手支援に取り組むLVMHは、ファッション学校の卒業生3人を選出する。20年と21年の卒業生の両方が対象で、受賞者はLVMH傘下メゾンの1つで1年間学ぶ。また、過去に授賞経験のあるデザイナーは「カール・ラガーフェルド賞」の寄付金を含む基金が提供する助成金への申請も可能だ。