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カマラ・ハリス次期副大統領の米「ヴォーグ」表紙写真に物議 アナ・ウィンターもコメントを発表

 カマラ・ハリス(Kamala Harris)次期副大統領が、米「ヴォーグ(VOGUE)」2月号の表紙に登場した。表紙でハリス次期副大統領は、「コンバース(CONVERSE)」のスニーカーと「ドナルド・ディール(DONALD DEAL)」のジャケットを着用。ハワード大学在学中に所属していた黒人女性の社交クラブ「アルファ・カッパ・アルファ(ALPHA KAPPA ALPHA)」のテーマカラーを背景にポーズを決める姿を、フォトグラファーのタイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)が撮り下ろした。

 しかしソーシャルメディアでは、その写真の選択やクオリティーについて物議を醸している。ハリス次期副大統領は選挙活動期間中を含め日常的にスニーカーを愛用しているものの、中にはジャマイカ系とインド系のルーツを持ち、アメリカ初となる有色人種の女性の副大統領誕生を取り上げるにはスニーカーは相応しくないのではないかとの疑問視する声もあった。そしてハリス次期副大統領に対して「無礼だ」とする意見や、「クオリティーが低い」「ホワイト・ウォッシュされている」といった批判が上がっている。

 また写真の選択についても、インタビューと一緒に掲載されている「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」のパウダーブルーのスーツを着用した写真を表紙にした方が良かったという意見も多く見られた。さらにこの写真こそ、「ヴォーグ」とハリス次期副大統領陣営の双方が合意した表紙写真だという主張もあり、議論を呼んでいる。なお同写真はプリント版の表紙は選ばれなかったものの、デジタル版の表紙として採用された。「ヴォーグ」とハリス次期副大統領陣営は、ハリス次期副大統領と協力して衣装などを慎重に選んだという。

 表紙の公開前に収録したポッドキャスト「スウェイ(SWAY)」でアナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ」編集長兼コンデナスト(CONDENAST) アーティスティック・ディレクターは、「2月号の表紙はとても前向きで明るい。誰もがポジティブな印象を抱き、私たちが今本当に必要としているリーダーシップをジョー・バイデン(Joe Biden)次期大統領と共にもたらしてくれるであろう自立した女性のイメージを受け取ると思う」と語っていた。その後ネット上での議論を受けてポッドキャストの公開と合わせて「ニューヨーク・タイムズ(NEWYORK TIMES)」に、「プリント版の表紙に対する反応は認識している。ハリス次期副大統領の偉業を軽視する意図は全くなかったことは繰り返し伝えたい」と語った。アナ編集長が物議を醸している表紙について公にコメントしたのはこれが初めてだ。

 また写真の選択については、「表紙写真の正式な合意はなかった。2枚の写真を受け取ったときに、よりカジュアルな装いの方が今の新型コロナ時代を反映していると私たちは強く感じた。世界の歴史に刻まれるこの瞬間に、型式ばったものではなく親しみやすく、現実的な写真を選択した。それはバイデン次期大統領とハリス次期副大統領のキャンペーンの特徴や、今後成し遂げていくであろう数々の取り組みを映すものだ」と述べた。一方、ミッチェルや「マイケル・コース」の幹部、ディールはコメントを控えている。

 誌面ではジャーナリストのアレクシス・オケオウォ(Alexis Okeowo)によるハリス次期副大統領のプロフィールについての記事を掲載し、彼女の経歴や今後の政治的展望に焦点を当てている。その中で、前ファースト・レディーのミシェル・オバマ(Michelle Obama)もハリス次期副大統領について、「彼女は抜かりのない女性だ。それは周りの顔色を伺ったり、特定の誰かに対して自身の能力を証明したりするということではない。そういうことを気にしていたら、ハリス次期副大統領は今の地位にはいないだろう」と称賛した。

 なお、ミッチェルは同誌で表紙を撮影した初の黒人のフォトグラファーで、今回が3回目となる。初回は18年9月号ではビヨンセ(Beyonce)を、2回目は20年12月号で「グッチ(GUCCI)」のドレスをまとったハリー・スタイルズ(Harry Styles)を撮り下ろした。

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