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「グレーゾーン」のワーキングスタイル エディターズレター(2021年1月15日配信分)

※この記事は2021年01月15日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「グレーゾーン」のワーキングスタイル

 スマホのような便利グッズが普及して、さらにはデジタル媒体を統括するようになって、「グレーゾーン」という時間帯が長くなったと感じています。仕事時間が「白(ですよね?反対??)」、自由時間が「黒」なら、働いているけれどチョットだけ緩んでいたり、休んでいるけれど仕事について考えていたりの時間が「グレー」。グレーの濃度はチャコールからライトまでさまざまです。

 振り返れば最初の仕事、社会部の事件記者時代から「グレーゾーン」の多い人生を歩んでいます。当時は事件や事故があれば真夜中でも叩き起こされるし、管内を離れるときは“それなりの覚悟”が必要。ゆえに就業後や休日も常々“10%くらい”は仕事のことを考えていました。ライトグレーな時間です。そして今は、いつでもどこでもメールやSNSはチェックできるし、デジタルメディアに身を置くものとしてはある程度のタイムリーな反応を心がけています。就業後でも“30%くらい”の意識は仕事に向かっており、休日も、“15%くらい”はそんなカンジです。年末年始は“0%”にしたかったのですが、残念ながらWorkplaceとSlackを数回確認してしまいました(笑)。

 同じような方は、きっと多いと思います。かつてはオン・オフがハッキリしていたけれど、今はそうじゃない。もちろん就業中はバリバリ仕事をして、就業後もメールやSNSには返信したり、それらをなんとなく気にしたりは、(それが良いか、悪いかは別の話ですが)当たり前になりましたよね。加えて今は、時間のみならず場所や環境においても、(これもまた、良いか悪いかは別の話な気がしますが……)オンとオフの境界線は曖昧になりつつあります。通勤して、オフィスで働き、帰宅して、そのあとは完全オフ、なんて時代ではありません。ここでも「グレーゾーン」が広がっています。おうちで洗濯機を回しながらミーティングとか、平日も休日も1、2時間は「スターバックス」でお仕事とか、最近はワーケーションなんて言葉も!!「スノーピーク」が本気で取り組む「キャンピングオフィス」なんてのは、まさに場所や環境さえ「グレーゾーン」が増えている現状を反映していると思います。

 もっと言えば、マインドだってオンとオフの境界は曖昧になっています。例えば私は、仕事としてファッション&ビューティと向き合っていますが、それは、そもそも大好物なワケです(笑)。「オフの時は、洋服に無頓着です」は絶対ない。これまた同じような人が多いのでは?と思います。大昔は、「好きなことと仕事は別」なんて割り切る人が多かったのかもしれませんが、今は「スキで食べていける時代」になりつつあります。YouTuberやインフルエンサーは、代表例ですよね。彼らは「スキ」が高じたからこそ仕事にして、仕事で「スキ」を存分に表現しているからこそ共感されるのです。マインドにおいてもオンとオフの境界は曖昧となり「グレーゾーン」が広がっています。

 時間も、場所も、マインドも「グレーゾーン」の存在が大きく・長くなってくると、キャリア服とかスーツ、リラックスウエアの在り方も変わるのでしょうか?私の場合“20%くらい”は仕事を意識している時、上下スエットではありません。おうちでのZoomミーティングの時は、スーツではありません。オンの時とは違うけれど、オフの時だってスキンケアと最低限のメイクはします。「グレーゾーン」時代のワーキングスタイルってなんなのか?考えてみるのは、面白そうです。

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