「合いの子」商品の可能性
なんだか最近、リップ用のティントが多い気がします。リップクリームというお父さんと、口紅というお母さんの間に生まれ、お姉ちゃんはリップグロス。そんなアイテムです(笑)。
マスクが当たり前の今、リップメイクは大苦戦しています。ドラッグストアの調べでは前年同月比で20%台という月もあり、メーカーには口紅の発売を見送ったところも。そんな状況ゆえ、保湿もできて、マスク移りも気にならない程度にほんのり色がつくリップ用のティントが増えているのだろうと思います。前回のお手紙で触れた「グレーゾーン」にピッタリの商材でもありますね。コロナのパンデミックから、そろそろ1年。この間に決断し、企画し、製造・販売までこぎつけたブランドの意地を感じさせます。リンク2本目で紹介する「アディクション」の“リップ オイル プランパー”は、そのリップ用のティントが大きくなって、美容オイルというパートナーに出会って生まれた子どものようです。
考えればビューティって、そんなアイテムが多いですね。例えば、私が最近愛用している「ナチュラグラッセ」の“ブライトタッチ リキッド”は、「部分用ファンデーション-目もと用美容液」を名乗っています。アイクリーム級の美容成分を詰め込んだ部分用ファンデーションで、クマなどを光の散乱効果でカバーします。お父さんはファンデーションで、お母さんは美容液、そして、そのどちらかはアイシャドウの血を受け継いでいるーーそんな商品でしょうか?BBクリームは一夫多妻、もしくは一妻多夫制の家族で愛されている子どものようですね。ファンデーションの下地、ファンデーション、コンシーラー、日焼け止めなどの子どもとして誕生!!という印象です。古くはコンディショナー イン シャンプーなんかも、そうでしょうか?字面から考えるとシャンプーの中に入っているコンディショナーという意味ですから、お父さんがコンディショナー、お母さんがシャンプーというコトでよろしいですか?こんなコトを結構真剣に考えている私は、まぁまぁキモいコトは自覚しています。
「合いの子」商品は、ファッションの世界にもたくさんあります。古くはブーツとパンプスの「合いの子」のブーティー、ジャケットとニットの「合いの子」のニット・ジャケットなどが代表例です。後者は、お父さんが「太郎」、お母さんが「一美」という名前だから「太一」と命名、そんなカンジですね(笑)。ここ数年は「モンクレール」のPCケースを愛用しますが、ダウンでできたPCケースは真冬、膝の上にのせると暖かくて重宝します。こんなPCケース、「モンクレール」がはじめてです(笑)。「合いの子」は、これまでの商品では満たされなかった消費者ニーズを満たすかもしれません。
こんなコトを妄想して最近はメンデルの遺伝の法則まで遡ってカラー版の図解を購入したワタシは異次元に突入してしまった感がありますが、この「合いの子」とか「掛け合わせ」という考え方は、面白そうな気がします。ぜ~んぜん思い浮かびませんが、「キャップとネクタイを掛け合わせたら?」とか「ヘアワックスとプロテインの子どもって、一体!?」なんて話、Zoom飲みでいかがですか(笑)?案外、面白いアイデアが浮かぶのでは?なんて思っているのです。
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