「プラダ(PRADA)」は、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)が共同で手掛けた2021-22年秋冬メンズ・コレクションを1月17日にデジタル形式で発表しました。ラフ加入後初のメンズの実物を見るため、発表翌日にミラノで行われた展示会へと足を運びました。展示会場は9月のウィメンズ・コレクション同様、ショーの撮影が行われたセットの中で、4つの部屋に分けられたスペースでルック順に並んでいます。
今季のテーマは“インティマシー(親密さ)”。コレクションには、「利己主義からの解放により、単体では意味を持たない物が複数掛け合わさることで価値を生む」というメッセージが込められているそうです。「プラダ」がコミュニケーション戦略の要としている“対話”にも通ずる思想です。これらテーマを最も象徴しているのが、多くのルックで使われた肌着のようなニット素材のアイテム。肌着は肌に直接触れるアイテムであり、本来隠れている肌着をあえて見せて他のアイテムと組み合わせることで、新たな価値を与えているのです。
アウターはMA-1がヒットの予感
アウターはたくさんの種類が登場しましたが、私が注目したのは売れ筋となりそうなオーバーサイズのMA-1ブルゾンです。素材は再生ナイロンを使用した“プラダ リナイロン(Prada Re-Nylon)”で、ブラウンとネイビーの2色展開。従来のナイロンよりも防寒性がやや劣る“プラダ リナイロン”の裏地にジャカードニットを重ねて保温効果を高めています。個人的に、女性の私が着用したいと思ったのはロングとショート丈で登場したダブルコートです。素材はナパレザー、カシミア混ウール、フェルトの3種類で、襟のニットは取り外しが可能。前身頃の重なりと襟元のアタッチメントによって、胸元にトライアングルモチーフが表現されています。MA-1ブルゾンにはスリーブにトライアングルモチーフのポケット、スーツジャケットには背面にニット素材のトライアングルモチーフが付きます。今季のスーツはピンストライプが多く用いれられていますが、意外にも「プラダ」のメンズでピンストライプを採用するのは初めてだそうです。
デジタルショーで目が引いた、鮮やかなカラーバリエーションのグローブはナパレザー素材で、異なるシェイプのポケットが手の甲に付きます。バッグは1種類のみで、ウィメンズで登場したバックパックの大きめのサイズ。ナイロンとナパレザーの2種類の素材がそろいます。カーフレザーのシューズはローファーとレースアップの2種類で、全て5cm程のプラットフォームの仕様でした。