楽天は21年夏ごろから、リアル店舗と複数のECサイトの在庫情報を一元化できるサービス「楽天ファッション オムニチャネルプラットフォーム(Rakuten Fashion Omni-channel Platform)」をスタートする。サービス開始にあたっては、水岩グループ傘下でアパレル物流大手のフロー・メイカーズホールディングス(HD)やEC支援大手のダイアモンドヘッド、AMSなどと連携。楽天は、この新システムの稼働させることでリアル店舗も含めた在庫の一元管理にも踏み込む。
大手アパレルの多くはすでに、ダイアモンドヘッドやAMSなどと連携しECに関しては、直営の公式通販サイトと「楽天ファッション」や「ゾゾタウン」などのネット通販モールを横断して管理できるシステムを有しているが、リアル店舗も含めた一元管理には多くの工数やコストがかかり、一元管理している企業は少なかった。
一方、フロー・メイカーズHDは自社開発したWMS(=Warehouse Management System、倉庫管理システム)を外部にも提供しており、同WMSではリアル店舗向けの製品を中心に、EC向けも含む年間2.1億枚を取り扱っている。楽天は「楽天ファッション オムニチャネルプラットフォーム」で、リアル店舗向けのWMSに強い同社と連携することで、リアル店舗用の倉庫在庫管理も包括的に管理できるようにする。また、すでにフロー・メイカーズやダイアモンドヘッド、AMSのシステムと連携している場合は「原則、初期費用は不要になる」(楽天)という。
楽天は今後、同システムを使い、在庫の効率化に加え、楽天の自社配送網や楽天が強みを持つ楽天ID(ポイント)ともシステム連携させ、効率的なプロモーションや新規顧客の獲得、リアル店舗とECサイトの相互送客、配送の効率化などにも生かす考え。