ファッション業界でサステナビリティへの関心が高まる昨今、商品のクオリティーや生産背景に注目が集まっている。ウールマーク(WOOLMARK)は世界でも最も認知されているロゴの一つであり、有名なテキスタイルブランド。高品質のウール製品を象徴する印として、1964年のロゴ誕生以来、50億以上の製品に適用されてきた。
ウールマークの認証プログラムには厳しい品質検査があり、(1)ウールの含有量、(2)耐光性、(3)耐久性、(4)洗濯検査、(5)液体に対する耐色性の全てがウールマークの品質基準を満たしている製品のみに印が付与される。スチュアート・マカラック(Stuart Mccullough)=ザ・ウールマーク・カンパニー マネジング・ディレクターは認証プログラムについて「私たちの品質基準は消費者の満足度を最大化するため、厳しい検査によって高いレベルに設定されている。これは、独自かつ世界的な繊維品質認証であり、このような仕組みを提供している繊維はほかにない」と説明する。対象品は洋服のみならず、毛糸・生地、インテリアテキスタイル、ウールケア製品、寝具製品、シープスキン、羊毛加工技術など、幅広いウール関連製品で認証を受けることができる。「繊維メーカーからファッション・アパレルブランド、洗濯機メーカーからカーペットメーカーまで、幅広い企業が加盟でき、市場で差別化を図りたいと考えるウールに関わる企業なら誰でもライセンシーになることが可能だ」とマカラック=マネジング・ディレクターは補足した。
長年ライセンスを保有する日本毛織の松元孝宣・衣料繊維事業本部 販売統括部 戦略企画部長は、ウールマークに加盟するメリットを「合成繊維と差別化を図り、衣料繊維におけるウールの優位性を発信できること。同業他社や顧客であるアパレル・小売店などのライセンシーと連携し、ウールの真のサステナビリティを提唱していきたい」と話す。
ザ・ウールマーク・カンパニー(THE WOOLMARK COMPANY)は現在、困難な状況下に業界を支援するために、ライセンシーに向けた年間ライセンス料の減額を行っている。既存のライセンシーには6月30日まで有効な年間ライセンス料50%減額を適用し、新規ライセンシーは認定検査機関を使用して製品検査を行う場合に申請料を免除する。またザ・ウールマーク・カンパニーはライセンシーに向けて、製品やプロセスの開発、サプライチェーンの最適化、ザ・ウールマーク・カンパニーのグローバルネットワークへのアクセスなどの技術サポートを提供している。
ザ・ウールマーク・カンパニー
woolmark.japan@wool.com