米「ヴォーグ(VOGUE)」は、2月号のカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領の表紙写真への反応を受けて、特別版を発行するとインスタグラムで明かした。新たな表紙には、もともとデジタル版の表紙として採用されていた「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」のパウダーブルーのスーツを着用した写真を使用する。特別版は20日の就任式に合わせて、数量限定で発売。「ヴォーグ」のウェブサイトから、7.99ドル(約800円)でアメリカ国内で取り扱う。
2月号の表紙にはじめに使われた写真でハリス副大統領は、「コンバース(CONVERSE)」のスニーカーと「ドナルド・ディール(DONALD DEAL)」のジャケットを着用。ハワード大学在学中に所属していた黒人女性の社交クラブ「アルファ・カッパ・アルファ(ALPHA KAPPA ALPHA)」のテーマカラーを背景にポーズを決める姿を、フォトグラファーのタイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)が撮り下ろした。
しかしソーシャルメディアでは、その写真の選択やクオリティーについて批判の声があがった。アナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ」編集長兼コンデナスト(CONDENAST) アーティスティック・ディレクターは物議を醸した表紙について初めて公にコメントし、「ニューヨーク・タイムズ(NEWYORK TIMES)」に「プリント版の表紙に対する反応は認識している。ハリス副大統領の偉業を軽視する意図は全くなかったことは繰り返し伝えたい」と語った。
批判の中にはジャマイカ系とインド系のルーツを持ち、アメリカ初となる有色人種の女性の副大統領誕生を取り上げるにはスニーカーは相応しくないのではないかとの疑問視する声や、パウダーブルーのスーツを着用した写真を表紙にした方が良かったという意見が多く見られた。「ヴォーグ」の広報担当は、「デジタル版の表紙への評判の良さを受け止め、歴史的な瞬間を祝って特別版を限定販売する」と述べた。