自社のサステナビリティへの取り組みを証明する最も効果的な手段の一つが国際認証ラベルの取得だ。特にグローバルなビジネスシーンでは認証の有無が取引の条件として提示されたり、展示会の出展条件として課されたりする動きが加速している。消費者の間でも買い物は投票であるという意識が高まり、認証が商品購入時の一つの基準になり始めている。2017年に設立した一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会(以下、JSL)は、持続可能な社会の実現に向けて認証の普及活動に取り組む。山口真奈美JSL代表理事に認証にまつわる疑問に回答してもらった。(この記事はWWDジャパン2021年1月18日号からの抜粋に加筆しています)
WWD:国内の認証ラベルの認知度は?
山口真奈美一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会(JSL)代表理事(以下、山口代表):認証ラベルの認知度は上がっている。JSLが2020年2月に実施した「国際認証ラベルに関する認知度調査」では、有機JAS認証の認知度が最も高く、次いでレインフォレスト・アライアンス認証マーク、国際フェアトレード認証ラベルとなった。アパレル業界に関連するGOTS認証やOCS認証はそこまで認知度が高くはない。また、認証ラベル付きの商品を購入しない消費者にもその理由を聞いたところ、価格だけではなく種類が少ないことやデザイン面が挙がった。ここは売る側の工夫が求められるところ。
WWD:認証に関する問い合わせは増えている?
山口代表:繊維に関する認証についてはほぼ毎日問い合わせがある。認証取得の意識が高まっていること自体はありがたいが、認証ラベルを付けたいという気持ちが先行している印象も受ける。認証ラベルはあくまでツールにすぎず、安易に認証を付けたから高く売れるとか、SDGsに貢献しているというわけではない。その認証が求めている基準と照らし合わせて事業や原料調達のサプライチェーン全体を見直すきっかけとして活用してほしい。
WWD:日本企業の認証取得が遅れているのはなぜ?
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。